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三話 『勇者と王様』 ページ5

低級神に飛ばされた先は、よくあるトリップ先No.1のお城の玉座の間でした。

「勇者殿……本物、なのか?」

玉座に座っている人が声をかけてきた。
……魔法陣の上に召喚されたんだから、本物でしょう?

「ここは……城の玉座の間?私は勇者として召喚されたのですね」

最初は猫を被って様子見だ。

「えぇ。勇者様には、魔王を倒してきてもらいます」

左前にいる王女らしき人がそう答える。
魔王……ま、邪神じゃないだけましかな。
邪神は、初回トリップの人には倒せない特性を持っているからねー。

「どうして魔王を倒さなければならないのですか?」

私の目の前に座る王様が、魔王を倒す理由を話してくれました。
……長かったので、意訳です。↓

『三年前くらいに魔王が突然出現して、国が大混乱になっちゃった!国の半分を奪って魔物を生産し始めたよ!このままではこの世界が滅んじゃうんじゃね?うーん……。あ、勇者を召喚して、魔王を倒してもらおう!』

ということでした。
その次は、大臣が勇者について話してくれました。
……こっちも長かったので、意訳です。

『勇者には騎士団や、魔術師団の中から仲間を数人連れて、旅に出てもらうよ!旅の中で強くなって、魔王を倒してくれ!』

「……わかりました。神月A。魔王を倒すため、旅に出ます」

というか、魔王を今すぐ上級魔法で消してやりたいよ。

「そうか!それはよかった……」

顔を明るくさせ、子供のように喜ぶ王様。
……ってか、拒否権はないよね?これ。

「王様。すみませんが、部屋に案内してくれませんか?魔王を倒すために、疲れたまま、旅に出たくはないので」

「メイドよ。勇者神月様をお部屋に案内しろ
(勇者様はこんなにも世界の事を思ってくださる。これならば、魔王を倒してくれるに違いない!)」

すごくホッとしている王様。
だけど、私は今別のことを考えているから。

魔王……お前、魔物を生産するのは止めないけど、ばれないようにやれよ!

お前のやっていることが気づかれなかったら、私は召喚されなかったのに!!

メイドさんに案内される間、ずっとそのことを考えていた。

明日から、勇者にならなければいけない。
さて……初日は何をしようかな?

四話『勇者の仲間探し』→←二話 「ふざけるなよ、この低級神が!!」


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設定タグ:異世界トリップ , 魔法 , オリジナル小説   
作品ジャンル:ファンタジー, オリジナル作品
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ViVi - とても面白かったです!更新頑張ってください!応援してます!! (2013年11月6日 23時) (携帯から) (レス) id: 100b0e3e7a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:野茨 | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2013年10月11日 21時

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