美術館ではお静かに。 ページ1
今日は彼氏とデートの日だ。
美術館に行った後に、カフェでお茶でもしよう、と。
私は彼が来る前に、美術館に入り作品を見ていた。
今回見にきたのは、ワイズ・ゲルテナという人の作品だ。
見ていて楽しいし、私もいつかこういう作品を作ってみたいものだ。
階段を下りようとしたのだが階段を走っている子供とぶつかり、
運悪く足を踏み外した。
からだが宙に浮く。
怖くなって目を閉じて、階段を転がり落ちる。
た す け て 。
転がって、転がって。
肩を思い切り床に打ちつける。
からだじゅうがひどい痛みに襲われる。
「あ゛…ぁ」
ずきずきずきずきずき。
びりびりびりびりびり。
何とも形容しがたい痛みが、からだじゅうを駆け巡る。
「い、たい…っ!」
動くことなどできそうにもない。
遠くで彼の声が聞こえた気がして、目を開ける。
ふわりと香ったのはバラの香り。
肩を叩かれて、目を開ける。
からだの痛みはいつの間にか消えている。
「…ん?」
視界に入ったのは、幼い女の子。
それに、彼。
ば、と勢いを付けて立ち上がる。
「ギャリー…!」
「アンタもここに来てたのね、A。」
「だって待ち合わせはココでしょ?」
「…それがね」
どうやらとても厄介なことに巻き込まれているようだ。
とりあえず、たすけてくれた女の子の名前を聞く。
「お嬢さん、お名前は?」
「…イヴ。よろしくね」
「私はA。呼びたいように呼んでね。それから、ありがとう」
「ううん。イヴはただ、バラの花を活けただけだから」
「命の恩人だよ。…今度、何かプレゼントするね」
「!ありがとう」
和気あいあいと話していて気が付いた。
イヴちゃんは赤。ギャリーは青。私は?
イヴちゃんにバラを貰い、色を確認する。
オレンジだ。
「オレンジも好きだけどなー」
「不服なの?」
「不服じゃないけどピンクが良かったなーって」
「バラくらいいつでも買ってあげるわよ」
「…そのときは99本、赤い薔薇が欲しいなあ」
イヴちゃんが不思議な顔をする。
99本のバラが持つ意味を、イヴちゃんにだけ耳打ちして。
「よーし、イヴちゃん手、つなごう。出発!」
「うん!」
「あ、ちょっと待ちなさいアンタたち!」
ギャリー早く、と声をかけて、
私たちは歩き出した。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
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莉莉(CV:霧崎沙流)(プロフ) - 三宮にこ.さん» ご指摘ありがとうございます、すみませんでした。うっかり外すのを忘れていました。本当にすみませんでした。 (2015年8月20日 18時) (レス) id: 212878b2bc (このIDを非表示/違反報告)
波奈(プロフ) - 面白いですね。更新待ってます!応援してます (2015年8月20日 13時) (レス) id: cbbfcd8a4d (このIDを非表示/違反報告)
三宮にこ.(プロフ) - ib関係ですのでオリジナルフラグを外してください。違反者にされますよ?? (2015年8月20日 0時) (レス) id: adf42dfd10 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:霧崎 沙流 | 作成日時:2015年8月20日 0時