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ノックをして、事務室に入る
居たのは万理さんだけだった
万理「あぁ、Aさん！良かった！心配してたんだよ！」
A「ご迷惑をおかけしてすみません。」
万理「大丈夫だよ。ここ座りなよ。ココア入れてきてあげるね！」
A「あ、お構いなく...。」
万理「いいからいいから。」
万理さんから手渡されたココアは、温かくて美味しくて、心が落ち着かされた
安心しきってまた涙が溢れてきた
万理「大丈夫。大丈夫だから。」
A「...ご、めん...なさい。」
万理「辛いよね。気持ちがすれ違うのって。
俺にも色々あったからよく分かるよ。」
A「...。」
万理「俺も昔色々あったし、音楽もしてたからみんなの気持ちはよく分かるよ。」
A「万理さんも音楽を...？」
万理「昔の話だよ！あの頃は色々あったな...相方が一癖も二癖もあるやつだったからな。」
万理さんは、苦笑しながら答えた
これだけビジュアルがよくて、仕事が出来るだけじゃなく、音楽も出来るなんて
万理さんすごくね？
もう、アイドルになっちまえよ
万理「色々葛藤や不安があって、でも上手く口に出せなくてそれがどんどん積み重なって大きくなっちゃったんだね。」
A「みんなも...辛かったのかな...。」
ココアの水面に浮かぶ自分の顔は悲しげであった
Miraculousはみんな仲が良くて、喧嘩なんてしたこと無いかったから、
みんなの気持ち、ちゃんと考えてなかった
理解してるようでしてなかった...
万理「そうかもね。でも、みんななら、それら全部引っ括めて乗り越えていける力があると思うよ。」
ちゃんと考えなきゃ
自分の気持ち...みんなの気持ち...
A「...私...ちょっと行ってきます！」
万理「うん。行ってらっしゃい。」
グイッとココアを飲み干し、急いで事務所を出る
みんなに謝らなくちゃ
それで私の気持ちもちゃんと伝えなきゃ
寮へと向かうが真っ暗で鍵もかかっていて、誰もいないことを表していた
どこに行ってるんだ？
行きそうな場所って...
暫く考えて、1つの場所が思い浮かんだ
【ゼロアリーナ】
なんの確証もない
けど、行けばみんながいるような気がした
私の足は迷うことなくゼロアリーナへと向かう
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作者名：Lamp | 作成日時：2019年7月6日 9時
