103 ページ4
私たちは急いで楽屋に戻り、みんなにその事を伝えた
紡「皆さん！皆さんが、JIMA新人賞にノミネートされました！」
みんな絶対に声を上げて喜ぶって思ってたのに、帰ってきた反応は戸惑いや困惑で、
少なくとも嬉しくないという感情だと言うのは分かった
A「なんで？みんな、嬉しくないの？」
みんな無言で立ち尽くす
確かにさっきあんなことがあったし、温度差が激しくて喜べないのはあると思うけど、
みんなが夢見てたことが叶いそうなのに...
どうすることも出来なくなり、とりあえず一度事務所に戻ることにした
車の中でも、空気は険悪なままであった
事務所に戻ると、万理さんは直ぐに笑顔で出迎えてくれ、JIMAの件を祝ってくれた
それでも、空気は険悪なままであった
音晴「喜べないみたいだね...。」
A「社長...。」
音晴「目指していたものに手が届きそうになった時に、喜びを感じないんだったら、それはもう夢じゃないんだよ。
アイドルなんか辞めてしまいなさい。」
環「...。」
三月「え...？」
ナギ「シャチョーさん？」
音晴「IDOLiSH7解散。MEZZO"も解散。ご苦労さまでした。」
心が冷えていくように感じた
強い失望感と落胆感しかなかった
だって...そんな...
A「みんな、色々あって今喜べないだけだよね？本当は嬉しいよね？」
陸「...。」
A「...なんで。なんで、みんな何も言わないの？」
抑えていた涙が溢れてきた
何か、私だけ取り残されているようにも感じた
本当にみんな嬉しくないのかもしれない
A「...っ...。ごめんっ...。」
堪らなくなり、事務室を後にした
あそこにいるのが耐えられなかった
1人になりたかった
電気のついていないレッスンルームを見つけ入り、内鍵を締める
声を殺してずっと泣き続けた
広いレッスンルームには、私の声が反響し返ってきて、
いつもより広くて静かなことを思い知らされた
ふと気がついた時には、3時間近く経っていた
泣き疲れて暫く眠っていたらしい
時計は6時半を示している
この時間ならまだ万理さんか、他の事務員さんでも残っているだろう
一声だけ入れて帰ろう
気持ちの整理がつかないから、
IDOLiSH7のみんなにはまだ会いたくないな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 176人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Lamp | 作成日時：2019年7月6日 9時
