金色の瞳に誘われて~漆黒の翼~ 第九章

Story377 ページ6

NO サイド


〜とある街 深夜の港〜


『ｶﾞﾙﾙﾙ…』

男1「ひいっ!!」

男2「なんなんだよこの獣は…!!?」

誰もいない深夜の港

男2人は暗闇から現れた黒い獣に追い詰められていた

静まり返った深夜の港に響く音は波の音


『ｶｧｰｶｰ…!!』

そして、大量のカラス達の鳴き声

港に停まる船のマスト、寂れた船庫の屋根から男達を見下ろしながら鳴いていた

男１「なんで夜なのにこんなにカラスがいるんだよ…!?」

男2「不吉だな、まるで死を呼び込んでいいやがるみてぇだ」

カラス達は羽をばたつかせ、また鳴く

男1「不吉すぎるだろ!!」

男2「ボスもコイツに殺れて、次の獲物はおれ達ってか!」

男は近くに落ちていた鉄パイプを持ち、構える

闇に紛れる黒い獣は慈悲も感じさせないギラついた目で獲物である男達との距離を測る

カラス達は煽るように鳴く


男1「…っ!?…うあぁ！！！！！」

男2「お、お前!!」

男の腹わたは食い千切られている

そのまま男は倒れた

おぼろ月が照らす地面には血溜まりと獣の赤い足跡

男2「何処だ!何処へ消えやがった!?」

男は鉄パイプを振り回しながな辺りを見回し獣の姿を探す


ドンッ!!

体に感じた衝撃

そして鋭い痛みが襲う

獣が自分の腹に牙を立てていた

牙は奥へ奥へと刺さる

男2(腹わたを持っていかれる…!!)

タンッと獣が男から離れた時には、男の腹わたはなくなっていた

バタリと倒れた男

それが合図かのようにカラス達は一斉に舞い降りる

倒れた男達の肉をついばむ

辺りには血腥さが漂った

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