金色の瞳に誘われて~漆黒の翼~ 第九章

Story396 ページ27

NO サイド


ﾙﾋﾟ「クロゥの体は確実に何かに蝕まれている…血を吐いて苦しんでいるのよクロゥは!!」

金色の虹彩の中で一瞬にして縮んだ瞳孔が真実だと語った


「なんで、それ…」

ﾙﾋﾟ「私見たわ…あなたがもがき苦しみながら血を吐いているのを

あれは、ただの吐血じゃないでしょ…」

『血の中に混じった白い菱形』

その言葉に更にクロゥはドキリとする


ｿｰﾏ「それが、クロゥの死期を決めてるんか?」

「お前ら…何処まで知ってんだよ」

ばつが悪そうにクロゥは視線を下へと向ける

ｿｰﾏ「勝手やけどクロゥの留守の間にクロゥの部屋と隣の部屋で色々探索させてもらったわ
そしたら見つけてん、自分の死期の計算式を…もう半年ぐらいしかないやろ」


ｻﾗ「…死ぬん、ですか…?」

「まぁ、そうなるな」

当然のように、声色一つ変えずにクロゥは言い放った

ｻﾗ「なんで!?どうしてですか!?
死ぬなんて…!!」

「誰だっていつかは死ぬだろ」

ｻﾗ「早すぎますよ!!おかしいです…何故クロゥ様が死ななければいけないんですか!?


この世界には死んだっていい人間が山程いるじゃないですか…!!!」

「サラリア!!!!」

珍しくクロゥが声を荒げた

ビクッとサラリアがクロゥを見る


「おれだけが不幸を担いでる訳でも、おれだけに不幸が降り注いでる訳じゃない

どうにもならない事だってあるんだ」

ｻﾗ「でもっ!でも不平等じゃないですか、私が身代わりになれませんか?

まだ、私…私達は何の恩返しも出来ていないんですよ」

ポロポロと目から涙を流しサラリアはクロゥを見る

ソーマとルピアーヌもうつ向き拳を握っていた

「自分で選らんで今まで生きてきた

誰にも人生の選択を委ねた事はない

だから…死んでもそれは自分の選択の結果だ」



ﾛｰ「逃げるのか…自分の死期とも戦わずに

曖昧な言葉でおれ達を丸め込むつもりか」

今まで黙っていたローが口を開いた

ﾛｰ「いいように言ってんじゃねぇよ
このまま死んで有終の美とでもほざくつもりか」

「…"死を視ること帰するが如し"の方が決まるなぁ」

緊張感を感じさせないジョークをクロゥが言い終わると同時に
クロゥの胸ぐらはローに掴まれる



ﾛｰ「向き合えよ…恐怖(死)に!!

このまま背を向けて逃げて死ぬのはみっともねぇとわかってるクセに、向き合いたくねぇから逃げるんだろ!!?」

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