thanks ページ19
陸side
11月。
すっかり寒くなってきた。
あれから、少し短縮したライブにも死ぬ気で頑張ったらなんとか最後まで歌いきれたし、
メンバーのフォローもあって、なんとか周りの人達、ファンの人達にはバレずに過ごしてきた。
が、そんな俺の幸せなアイドル生活ももうすぐ幕を閉じることになる。
たのしかったなぁ。
走るって
動くって
食べるって
笑うって
こんなにも幸せだったんだ。
本当にありがとう。
そんな一生分の幸せを使い切ったからか、
体はどんどん痩せ細り
食欲も失せてきて
髪はどんどん抜けて
眠れない日々が続いて
呼吸困難で意識を失う日も増え
声も出なくなって
俺は1人で何もできない体になってしまった。
___これでいいんだ。
十分幸せな時間を過ごせたから。
コンコン
ガラガラ…
一織『失礼します。』
陸『あ゙…ぅ゙…』
ダメだ。やっぱり声が出ない。
『一織』って言いたかったんだけどな。
けど、伝わってたらしい。
一織が優しく微笑んだ。
…レアだなぁ。
一織『今日は紅葉がとても綺麗ですよ。ほら、外を見てください』
一織にそう言われて重たい首を精一杯の力で動かした。
陸『…!!』
窓の外には、秋の絶景があった。
病院なのに白黒じゃない。
とっても綺麗ないろんな色が集まってる。
もう、あの頃じゃないんだ。
1人じゃないんだ。
一織にお礼を言いたくて、ペンを持った。
一織『?七瀬さん…?』
『あ』
『り』
『が』
『と』
ゔ…?
あれ、力入んない。
あれ、視界が…真っ暗…
一織『七瀬さん…!?』
あぁ…なんで…。
最後まで…あとちょっと…だったのに…
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ころも。(プロフ) - かなとさん» 私の不注意です。すみませんでした。 (2019年4月29日 19時) (レス) id: b3ab927d1d (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年4月29日 18時) (レス) id: 18d6d807bc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ころも。 | 作成日時:2019年4月29日 18時