【庭球】笑顔の裏の優等生 (ページ6)

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いい子の六話ページ6

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＂御伽さん、すごいね！＂

＂スポーツも出来るんだ、憧れちゃうなぁ。＂

＂今度、部活見に来ない？＂

幸村君と別れた後、沢山の人に囲まれた。
今朝、私の話をしていた女子達も一緒だ。

幸村君はそんな私の様子を見ながら、フッと微笑んで丸井君の方に行ってしまう。

『…いや、やっぱりテニス部の部長。それも男子には敵わないよ。とても。』

「そんな事ないよ！」

どれだけあしらっても引かない。
もう休んでいたかった。私は別に体育が苦手なわけじゃないけど、体力は無い方だから。

じゃ、と女子達に言い隅っこに逃げた。

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「…全員集合ー！！」

体育が終わった。
私はホッとしながら、列に並ぶ。

その時、

幸村君と目が合い、

『……！』

「ふふ」

ウィンクされた。
悔しいけど、似合う。

並の女子ならひとたまりも無いだろう。
私はまだ大丈夫だったようだ。

「気をつけー、礼！」

「「「ありがとうございました！！」」」

・

期末テストが迫っている。
そう思い出したのは、体育が終わってすぐだった。

束の間の安堵である。

『…また、頑張らないと。』

「なーにが？」

『…うわっ。』

後ろから聞き慣れた声。
でも不意打ちはずるい。やっぱり驚いて、情けない声を上げる。

丸井君は可笑しそうに笑いながら、話を分かった上で頭を下げてきた。近いうちにこうなるだろうとは思っていたけど。

内容はこうだ。

＂期末テスト、数学が不安だからいつものように見てくれ。そして、出来れば後輩にも教えてほしい。＂

後輩…。
誰かは知らないけど、また面倒くさい話だ。

でも、

「頼む！
この通り！」

『ちょ…』

何て、教室で頭を下げられちゃ、無理だよね。うん。
私は渋々と、最低限の日数なら。という条件でオッケーにした。

私も、大概に甘い。

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