~The Little Servant 3~ (ページ1)

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ハロウィンタウンのティータイム~主人公視点~ ページ1

「ロック、ショック、バレル、おやつよーっ!」

「「「ウィー!!」」」

目にも留まらぬ素早さで走ってくる彼らに、思わず笑いが漏れる。

アップルポイズンに教えてもらったアップルパイに、ジャックハートの美味しい紅茶。

ボスにも気に入ってもらえたカクテルの作り方は、ホックに教えてもらったものだ。

スカーのメイク、ダルメシアのコーディネート、ヴェールとの二重唱、ファージャのマジック、マルフィのネイル。

それにハーデスとのお喋りはとても楽しかった。

それに、ジョーは…

「まーたAは可愛い顔してンな。青春っぽくていいねぇ、恋する乙女だねぇ」

「コイスルオトメ?」「セーシュン?」「A姉ちゃんはいつでもクールだよ?」

「うん、三人とも大好き。パイのお代わりは?」

「「「食べるー!」」」

わーい、と喜ぶ三人組に、思わず顔がほころぶ。

ボスがニヤニヤしてるのには、この際ふれないでおく。

「手下同士で手紙とか送らないのか?」

「ぜェんぜん。いや、してる人もいるかもしれませんけど、届けられない場合がありますからねェ。なんとも言えません」

「へーえ」

全くボスったら、からかうのが好きなんだから。

「そういやMr.Vから手紙が来てたぜ?」

「あら、なんて?」

「今年もリクルートやるって」

カチャ、とフォークを取り落とす。

ゆっくりと緩む頬は、どうしても抑えられない。

「本当ですか!?」

「ああ、もちろん。っていうか、俺は嘘なんてついたことねェぞ」

最後の発言は完璧に嘘だろうが嬉しい。

「えっえっ皆来るんですよね?ハーデスもファージャも――」

「――どこぞのタコもちゃんと来るぞー」

「!!」

内心ガッツポーズを決めながら、すまして紅茶を飲む。

「A姉ちゃん嬉しそーだね」「また人間界行くの?」「私達も行きたいー!」

が、全然隠せて無かったらしい。

でも…

やっぱり、また彼に会えるのは、素敵な事。