結婚式とカモメ一揆 ページ13
結婚式が始まった。
二人は参列者から少し離れたところで、その様子を見ている。
召使いがわざわざ前を陣取るべきではないというAの考えだった。
そして、エイトフットが異常にマックスに吠え立てられたからでもある。
とにかく、結婚式は始まった。
.。o○
赤い絨毯の上を歩く白いドレス姿のヴァネッサは、夕日に照らされ、より一層美しかった。
王子たちが一緒にヴァージンロードを歩き出すと、Aとエイトフットは急いで船内に戻った。
Aは同僚を手伝うため、エイトフットは手下としての仕事をしなければならないからだ。
しかし、ほんの数秒後に、ヴァネッサの叫び声が響いた。
二人は敢え無く、回れ右をしてデッキに戻って来ることとなった。
「何!?･･･ヴァネッサ様!?」
「うォッ!?」
二人が甲板に上がった瞬間、エイトフットがカモメに急降下爆撃を仕掛けられ、危うく翼で叩かれるところだった。
デッキには鳥の羽が散り、大量のヒトデやアシカが這い上がり、燦々たる状態になっている。
しかしそれよりも、今しがた海から這い上がってきた、アリエルの方に皆の注目は集められていた。
ヴァネッサの首飾りがちぎり取られ、割れた貝から、輝く”声”が飛び出す。
「ヴァネッサ様ァッ!」
エイトフットが隣で叫び、一歩踏み出そうとした瞬間、鳥の大群がその前を通り過ぎて失敗した。
そして、その”声”が、アリエルの喉に吸い込まれていく･･･
「･･･アリエル!」
「エリック!ずっと話したかったわ･･･」
感動的な再会。しかし、日は沈んだ。
アリエルの足はみるみるうちに魚の尾になり、ヴァネッサは笑いながら元の姿へと戻った。
「･･･え?」
アースラがアリエルを抱えて波間に潜っていく。
Aはヴァネッサの本当の名前と姿を知らないことを思い出し、困惑する彼女にエイトフットはどうにか教えた。
「今のは、アースラ様、つまり、ヴァネッサ様だ。いや人間じゃないからアースラ様だな」
「･･･つまり、人間のときだけ、ヴァネッサ様なの?」
「そういうことだな」
Aが首を傾げた時、エリックがアリエルのために救急用ボートをだし、バシャンと海に飛び込んだ。
「アースラ様を追うべきなの、私達は?」
「･･･いや。アースラ様は必要とあらばお呼びになる。呼んでないからな」
「成り行きを見守るの?」
「そういうことになるな」
「でも･･･私、まだ何が何だかよく分かってないよ」
「･･･俺もだ」
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ユラ(プロフ) - 山茶花さん» ありがとうございます!レス&更新滅茶苦茶遅くってスミマセン･･･ (2017年4月3日 11時) (
レス) id: ac02456d2d (このIDを非表示/違反報告)
山茶花 - ユラさんのエイトフット好きです!頑張って! (2017年3月24日 11時) (レス) id: 33105e2b3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユラ | 作成日時：2017年2月21日 17時
