Tシャツ(番外編) ページ40
「はい、ちびのせさんの」
体育館に入ると月島君からベージュ色のTシャツを渡される。
『ちびのせじゃないってば!…なんで急に?なにこれ?』
「西谷御用達の店で安く作ったんだよ。皆の言葉俺達で考えてみたんだ〜」
とスガさんが教えてくれる。
『へー!すごいですね!』
「Aのは俺とツッキーで考えたんだよ!」
そう忠に言われ月島君の顔を見ると目が合った。そして目が合った瞬間にやりと笑みを浮かべた。
…嫌な予感しかしない。
『…潔子先輩は着ないんですか?』
皆がTシャツに着替えている中、Tシャツを着ていない潔子先輩に声をかける。
潔子先輩は才色兼備とか雲中白鶴とかって書かれてそうだな。
「…Aちゃんちょっと来て」
そう先輩に手招きをされて行くと、見て、と先輩のTシャツを見せてもらえた。
『…え』
しかしそこにはショッキングピンクのシャツに達筆で“清水潔子”と書かれていた。
潔子先輩を見てみるとなんとも言えない顔をしていた。
「…西谷と田中が考えたらしい」
『…そうなんですか。…私なら全裸かこのTシャツの二択になった時以外着ませんね。』
「フフッ。私も。Aちゃんはなんて書いてあったの?」
『えっと、まだ見てなくて…』
潔子先輩の隣でたたまれたTシャツを開くとそこには白い文字で”器用貧乏“と書かれていた。
『っ月島君!忠!』
彼らに向かってそう叫ぶと月島君がまた二ヤってした。
「だって君、器用貧乏じゃない」
『…自覚はある!あるけど!多芸多才とかでもよかったじゃん!』
「頭そこそこ運動神経そこそこバレーそこそこ。なんでもできるけど1位になれるものはない。立派な器用貧乏デショ」
『うっ』
全部事実だから何も言えない。
『それより月島君って草食系なんだね。好きな子には積極的にアタックしないと取られるぞー』
月島君のTシャツには草食動物って書かれている。
草食動物ってことはそういうことじゃんと思って、今までのお返ししようとからかうように言うと
「…」
『うわっ』
なぜか思いっきりにらまれた。
…なんか地雷踏んじゃった感じ?
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しあん(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます!うれしいです!なるべく早く更新できるように頑張ります! (3月21日 23時) (レス) id: ae9da4da0a (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月21日 20時) (レス) @page17 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しあん | 作成日時:2024年3月10日 20時