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第二セットが始まっても旭さんの調子が落ちることはなかった。
一か月ぶりなのに体力もつのすごいな。男性だからなのかな。

「旭!!」

再びスガさんが旭さんにスパイクを上げる。

そしてそれは日向の方にいった。

あんな強烈なものをレシーブするの痛そうだな。なんて思いながら日向の方に目をやると

「!?日向!?」

なぜか試合中なのにぼーっとしていた。


危ないっ!と思った瞬間



バガァン!!



と痛そうな音がした。

…顔面かな。

「!?ばっ…」
「うわああああぁ!?」
「ギャーッ」

そして日向は後ろへ倒れる。

『日向!!』

慌てて駆け寄る。

「…っ う〜〜〜〜」

「あっ生きてる」
「大丈夫かっ」
「大丈夫かあああゴメンなあああ」

「どう考えてもボケッとしてたコイツが悪いでしょ」
『月島君ちょっとは心配して!!』
『日向大丈夫?脳揺れてない?』

「…うん。だいじょうぶです。スミマセン…」

日向は上半身を起こして言う。

「ほ ほんとに大丈夫です!ちょっと躱しきれなかっただけで…大したことは…顔面受けなれてるし!」
「慣れるなよ…」
「あはは…」

そういう日向は本当に大丈夫みたいで一安心。


『うわ…』

月島君の隣からただならぬオーラを感じて目を向けると影山がすんごい顔をしていた。

…これガチで怒ってるやつだ。後頭部サーブと同じ。

「……なにボゲェ―っとしてた…試合中に…」
「…俺は知ってるぞ…」
「"エースはかっこいいけど自分の一番の武器が囮なんて地味でかっこわるい。自分に東峰さんみたいなタッパとかパワーがあればエースになれるのに"」

『…』

「そっそんなこと思ってない!……くも…ない…けど…」

「エースが居るってわかってから、興味とか憧れとかの他に__」
「嫉妬してたろ」

試合中に余計なこと考えてんじゃねえーよ、と影山君は言う。


「………羨ましくて…何が悪いんだ…」
「もともとでっかいお前になんか絶対わかんないんだよ!!」

そう日向が叫んだ。そのとき見回りの先生が体育館に来て終わるよう言ってきたが武田先生が説得してくれた。

「よし!じゃあ続き始めよう!」

大地さんの言葉で試合が再開した。

…でも雰囲気はギスギスしたままで気まずい。
…もし私がプレイヤーでチームがこの状況だったら頑張ってどうにかするのに。
…マネージャーだからあまり口出しできないのがすごくもどかしい。私が実際にプレーしているわけでもないし女だから。
…少しでも早く元に戻って…!

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しあん(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます!うれしいです!なるべく早く更新できるように頑張ります! (3月21日 23時) (レス) id: ae9da4da0a (このIDを非表示/違反報告)
- とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月21日 20時) (レス) @page17 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:しあん | 作成日時:2024年3月10日 20時

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