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数日後の放課後
(東峰side)
「…!」
帰ろうと廊下を歩いていたとき、男バレの活動場所である第二体育館から懐かしい音が聞こえてくる。
…早いな、もうボールの音が…
なんとなく気になり、扉から中を覗いてみると俺のところに何回か来た日向と影山がいた。
ドッ
そして凄いバネ、完璧なタイミングのトスで速攻を決めていた。
…すごい。
「手に、こうズシッと来る感じ」「コートには六人いるんだから」「俺全部拾って繋ぎます‼だからそのボール、ガッツリスパイク決めてくださいね‼旭さん!!」
…彼らの言葉が無意識に頭の中に流れる。
「…。」
「おっしゃ!対ネコ戦も速攻決めるぞォーッ」
体育館の中からそんな声が聞こえてくる。
「!」
”ネコ”?
音駒!?
あの音駒と試合―――?
「GW最終日に練習試合なんだ」
背後から聞きなれた声が聞こえてきた。
「ゲッ」
「「ゲッ」ってなんだ!!」
…大地は怒ったら怖い。…逃げよう。
そう思って廊下の柵に足を賭掛けた瞬間
「おい逃げるな!」
と言われてしまう。
「だってお前起こると怖いんだもん!」
「今別に怒ってないだろ!」
「「………」」
気まずい沈黙の中、大地が口を開いた。
「…聞いたろ?あの音駒が来るんだ」
「今の代の烏野と音駒に何か因縁があるワケじゃない。…でもよく話に聞いてた、あの”ネコ”と今俺達が数年ぶりの再戦ってちょっとテンションあがるよな」
大地は嬉しそうに言う。
…俺も”ネコ”という言葉を聞いて胸が高鳴った。
「………けど俺はスガにも西谷にも合わせる顔が無い。」
そう言うと大地は一瞬驚いた顔をして
「…全くお前は…でかい図体して相変わらずへなちょこだな!西谷と対極にも程がある!」
と笑顔で言い放った。
「も少し言葉をオブラートに包めよ…」
「…ひと月もサボった事とかなんか色々気まずいとか来辛いとか、そういうの関係ないからな。
まだバレーが好きかもしれないなら戻ってくる理由は十分だ。」
「!」
「あ、それとな”エース”に夢抱いてる奴も居るんだからな」
大地はそう言うと
「痛ッ!」
一発俺を殴ってから体育館の中へ行った。
「〜〜〜〜〜」
手加減しろよ…
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しあん(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます!うれしいです!なるべく早く更新できるように頑張ります! (3月21日 23時) (レス) id: ae9da4da0a (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月21日 20時) (レス) @page17 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しあん | 作成日時:2024年3月10日 20時