【HQ】元小さな巨人

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そして3セット目が始まった。
烏野の勢いは止まらず3セット目も烏野がマッチポイントを取った。

『あと一点…！』

これは勝てる！と思った矢先アップを終えた及川さんがピンチサーバーとして入ってきた。

『…最悪』

なんでこのタイミング。あと五分くらいアップしていたらいいのに。


『…？』
ボールを持った及川さんは月島君を指さしている。

そして審判が笛を鳴らしたと同時にボールを高く上げ、ジャンプサーブを打った。

そして月島君のところドンピシャにボールがいった。

さっきの指差しは宣言…？そして威力もすごい。

…やっぱり及川さんすごい。サーブを宣言通りに打つコントロール力、あの化け物みたいな威力。
……そして相手の観察力。

きっと月島君を狙ったのは彼がほかの選手と比べてレシーブが得意ではないからだろう。
それを一セットも見てないのに見破った。流石青城の正セッター。

2本目も月島君のところに打った。
このボールも大きくはじく。
忠は二階にも聞こえてくるような声で「ツッキイイイ‼‼」と叫んでいる。
あれ食らったら腕もげそう…。

すると烏野は全体的に後ろに下がり、月島君は少しサイドラインに寄った。
レシーブの得意な大地さんが守備範囲を広げる作戦みたいだ。

しかし及川さんの三球目、月島君は端っこにいるのに完全に真正面にいった。
でもコントロール重視の分、威力はさっきより弱いみたいでボールは上がった。

『…ナイス！』

しかしそれは青城のチャンスボール。運悪く烏野は月島君も影山も後衛でブロックに一番高さがないローテ。

青城の5番さんは6番さんにトスを上げる。
やばいブロック完全に振り切られた！と思った瞬間

日向は全速力で6番さんに追いつきワンタッチを取った。

そして次は烏野のチャンスボール。


日向はコートの端っこから端っこへ素早く移動する。

そして影山も日向の打点ドンピシャにトスを上げる。

日向はそれを振り切った、ボールは及川さんの真横へ落ち、試合終了。

セットカウント2‐1で烏野高校の勝利だ。

『すごい…本当に勝った。』

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