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全日本中学生バレーボール選手権大会の県予選の決勝、あと一勝したら全国に行けるというところまで私たち女子バレーボール部はきていた。
私たちは全国大会出場を目標に3年間努力してきた。それが叶いそうな瞬間だった。
「A!!」
セッターが私の名前を呼びボールを上げる。
名前が呼ばれた瞬間助走をし、ネットの手前で力強く踏み切り飛んだ。そして全力でボールを叩いた。
...しかしそのスパイクは相手にブロックされボールは自分のコートの誰もいないところに落ちた。
相手ブロッカーは身長が180もある選手。151cmが一生懸命飛んでも軽々しく頭の上にやってくる。
そして当たり前かのようにブロックする。大きい上にブロックも上手い。
その後もスパイクの成功率は4割ほどで止まりチームも勢いに乗れず、その試合はストレートで負けてしまった。
そして私の、私たちの中学最後の試合が終わった。
...バレーボールにおいて身長差という壁がかなり大きいのは中学に入ってから薄々感じていた。
コーチや監督は相手が強かったからしょうがないと言ってくれていたがこの試合で私は知った。
努力しても低身長には限界があることを
その限界が今この時で今の私ではもう強豪とは張り合えないのだということを
だから私はバレーを辞めた。
どっちみちもう3年生はこの大会で負けたら引退だったからちょうどよかった。もう高校ではバレーをやらない。
高校でもバレーを続ける予定の元チームメイトたちは受験勉強の息抜きがてら体育館に顔を出していたみたいだがその試合の後、私が体育館に顔を出す日は一度もなかった。
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しあん(プロフ) - 紅さん» コメントありがとうございます!うれしいです!なるべく早く更新できるように頑張ります! (3月21日 23時) (レス) id: ae9da4da0a (このIDを非表示/違反報告)
紅 - とっても面白いです!!続き楽しみにしてます! (3月21日 20時) (レス) @page17 id: 147f4e35b6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:しあん | 作成日時:2024年3月10日 20時