【HQ】元小さな巨人

素敵な先輩1 ページ15

次の日、大地さんから練習試合当日のスタメンが発表された。
WSは大地さんと田中さん、縁下さん。MBは月島君と日向。そしてSは影山だった。

高さの重要なMBに日向が選ばれたことはびっくりだったけど影山曰くブロックはスパイクを完全に止めるキルブロックではなくワンタッチをとることを目的としたソフトブロックをメインにするそうだ。
それなら日向は反射神経がものすごく良いから納得だ。

「ずーん…」
『…どうしたの忠』

隣からこれでもかってくらい負のオーラが出てきているのを感じとり、隣を見ていると忠が死んだ顔をしていた。

「1年俺だけスタメン外れた…」
『あー…。影山と日向はセットで使いたいだろうし月島君もこのチーム内で一番背高いからね。
まあ周りが上手すぎるだけだからあんまり気にしないでいいと思うよ。忠も普通にバレー上手いんだから。まだ1年だし。』
「そうだよね…！あろがとうA！！！」



＿＿＿＿＿＿＿


そしてついに青城との練習試合の日がやってきた。

放課後、バスに乗って青城に行く。
私の隣には潔子先輩が座ってくれた。

「Aちゃん。」

バスが出発して少し経ったとき、潔子先輩が話しかけてくれた。

『どうしました？』
「マネージャーの仕事引き受けてくれて本当にありがとうね。一応確認なんだけど嫌ではないんだよね？マネージャーやること。その、少し無理にお願いしちゃったと思うから…。」

『全然！なんなら誘ってくださって嬉しかったです！
最初誘われたときは少しびっくりしましたけど、マネージャーとしてバレーに関わるのも思ってたより楽しいので！！』

私がそう言うと先輩は安心したように笑った。そんな顔もすごくかわいくて本当に癒される…。

「そっか、よかった。改めて、これからよろしくね！」
『はい！！』

その後も先輩と談笑していたがなんだかバスの後ろ側が騒がしい。

…そしてなんか嘔吐物の臭いがしてきた。

「Aちゃん、なんかにおわない？」
『私も思いました…。』

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