【HQ】元小さな巨人

帰り道1 ページ13

部活後、大地さんに肉まんをおごってもらった後、私と忠と月島君で帰路に就く。

「そういえば、ちびのせさん、バレーやってたんだね」

そう月島君に言われる。

『ちびのせじゃないってば！！
…小、中でやってたよ』

「ふーん、何番だったの？」
『4番だったけど。…どうかしたの？』
「いや、なんでもない」

なんか含みがある言い方だなと思っていると

「俺たち、Aの試合見に行ったことあるんだよ！」
『え、いつ？』

忠が私の試合を見に来ていたことも初耳だし月島君が私の試合を見たことあるというのも初耳だ。
…流石に驚いた。

「去年の県予選の準決勝だったかな」
『あー…あの時絶好調だった』

月島君栗山東の女バレの試合見たことあるのか。だから私の背番号聞いてきたんだ。
自分の中でのちょっとしたモヤモヤが消えて少しすっきりする。

『そういえば、二人ともジャージいいなー』

二人とも男バレの黒いジャージを着ている。
試合後、大地さんが月島君と忠、日向と影山にジャージを配ったのだ。
羨ましそうに彼らを見ていたのだろう。
潔子先輩に「Aちゃんはこれから注文するからね」と言われてしまった。
気を使わせてしまったみたいでちょっと申し訳なかった…。

「ちびのせさん今日マネージャーなったんだから君の分あるわけないでしょ」
『だからちびのせじゃないってば。…わかってますー！そんなこと』

彼は私が何回言ってもこの呼び方を辞めるつもりはないらしい。
…腹立つ。

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