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「ルーザーズクラブに乾杯」
薄れていた記憶が少しだけ蘇って、皆との再会はそれはもう懐かしいものであった。
皆それぞれの道で成功を成し遂げていて、皆生き生きとしていて、皆年を取っていて。
それでも子供心がみるみる戻ってくるように、思い出話に花を咲かせ、素敵なひと時を過ごしていた。
「スタンは来なかったな」
たった一つ空いた席を除いては。
全員揃わなかった事に虚しさを覚えつつも、運ばれてきたフォーチュンクッキーに手を伸ばし始める。
皆で一つずつ手に取り、割ってみるとメッセージが書き記されている。
「Could」「Guess」「Cut」「Not」「It」
男子勢がいくら並べ替えても、意味の通る文にならない。
それもそのはず、べバリーと私が持っていたのは「Stanley」と「Uris」だったのだから。
私は恐怖で猛烈な吐き気と震えが止まらなくなり、べバリーは涙を流し始める。
二人で恐る恐る紙を差し出す。
"Guess Stanley Uris Could Not Cut It"
(どうやらスタンリー・ユリスは約束を果たし切れなかったようだな)
皆は混乱していた。取り乱していた。
そうこうしていると、残りのフォーチュンクッキーの中から異形の生物たちが出てくる。
「マイク!早く!!」
マイクは椅子を持ち上げ、テーブルの上の異形たちを殺そうと、叩きつける。
皆で逃げ惑っている内に、店員が駆けつけてきた。
「何やってるんですか!!」
もう一度そこを見ると、先程まで暴れていた異形たちはいなくなり、代わりに散々に割れた食器があるだけだった。
「ペニーワイズの仕業だ」
ああ、そうだった。
27年前の恐ろしい出来事が蘇り、また吐きそうになった。
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nina - こっぺぱんさん» コメントありがとうございます!こちらこそ、見つけていただいてとても嬉しいです!ありがとうございますm(_ _)m (2019年12月5日 22時) (レス) id: c7e7eeb6b1 (このIDを非表示/違反報告)
こっぺぱん(プロフ) - Chapter2を探してやっと見つけました!!ほんと感謝しかないです!!!!これからも応援してます!!!! (2019年12月5日 22時) (レス) id: f790a447d6 (このIDを非表示/違反報告)
nina - Lucyさん» コメントありがとうございます!無いなら作ってしまえ!っていう感じで作りました笑 (2019年12月4日 1時) (レス) id: c7e7eeb6b1 (このIDを非表示/違反報告)
Lucy(プロフ) - chapter2 の小説はなかなか無かったのですごいうれしいです!更新応援してます! (2019年12月4日 0時) (レス) id: 0de2da8ead (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:nina | 作成日時:2019年12月3日 23時