4 ページ4
.
泣き疲れて眠ってしまったみたいで、起きたらもう朝だった。
昨日は制服のままお風呂も入らずに寝てしまったからこのままでは学校に行けない。
急いでシャワーを浴びようとして鏡を見て驚いた。
泣きすぎて目が真っ赤に腫れてる。ダメだこれは、ブスすぎる。
でも昨日、1日泣いて吹っ切れた。私には悲劇のヒロインなんて似合わないんだから。いつまで泣いてても何も変わらない。
***
「それでね、三橋くんに私のことを思い出してもらおうと思って」
「思い出すって…どうやって?」
2時間目の終わりに学校に着いた私は、未だ三橋くんのいない教室を後にして理子のいる5組へ向かった。
作戦会議である。
「ほら、ドラマとかでさ、頭に衝撃与えたり、思い出の場面を再現したりあるじゃない?それしてみようかなーって」
効果があるとは思えないけど。試してみる価値はある。
「そうね、今はそれ以外に方法見つからないわけだし。私も三ちゃんには早く思い出して欲しいから協力するわ!」
「そう言ってくれると思ってた!ありがとう理子」
話が終わったところでタイミング良くチャイムが鳴ったから、理子に「またあとで」と言って3組に戻った。
今、私の隣の席は空席。本来なら、目立つ金髪頭がいて早弁をしたせいでお弁当特有の匂いが舞っている、はずだった。
いつもは嫌だったはずの匂いが、恋しく感じてしまうのが悔しい。
三橋くんが退院すればその匂いは戻ってくる。
でもそれは、私が恋しいと思えるそれではないから。
待ってろよ、三橋くん。必ず私を思い出させてやるから。
.
116人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミカ(プロフ) - 美彩さん» 初めまして!ありがとうございます、更新は遅いですが頑張ります! (2019年8月2日 23時) (レス) id: 2be407660d (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 枕崎さん» そのお言葉だけで嬉しいです。まさか自分の作品を読んでくださってる方の中にこんなにも優しい人がいるとは思いませんでした、ありがとうございます。ゆっくりとなりますが、また更新をお楽しみにしていただけると嬉しいです! (2019年8月2日 23時) (レス) id: 2be407660d (このIDを非表示/違反報告)
美彩 - 続きがすごく楽しみです!更新楽しみにしてます!頑張ってください! (2019年8月2日 7時) (レス) id: c78fd194e0 (このIDを非表示/違反報告)
枕崎(プロフ) - 謝らないでください。まず更新して頂けることが私からすると嬉しいことなのです。作者様のペースで無理のない程度でお願い致します。私こそこんなコメントで頑張ろうだなんて思っていただけるのは幸いです。これからも応援しています。 (2019年7月29日 5時) (レス) id: 8e8712b35b (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 枕崎さん» 初めまして!更新が遅くてすみません。そして素敵なお言葉をありがとうございます!そんな風に言っていただけると頑張ろうと気力が湧いてきます!また遅くなりますがちまちまと更新していくのでよろしくお願いします! (2019年7月28日 14時) (レス) id: 2be407660d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ミカ | 作成日時:2019年2月27日 0時