三橋くんには私が欠けている。

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「明後日から春休みだけど、Aは三橋くんのことどうするの？」






今日も三橋くんに話しかけてかわされて、お弁当を食べさせて「美味い」をもらい、しつこく話しかけてとうとう無視された放課後。

理子とサ店でレスカを飲んでいた時に聞いた衝撃的な言葉。

’’明後日から春休みだけど’’




「早過ぎない！？あ、でもそっか。三橋くんが事故にあったの2月の初めで退院したの最近だしなあ」



「やっぱり知らなかったのね。春休みって意外と長いじゃない？会わなかったらその分、思い出しづらくなるんじゃないかなって」



「うん。前みたいに休みにデートできないし……」





前は2人で色んなところに行ってたなあ。動物園に水族館、遊園地、公園、映画も見に行ったし、私の家にも、三橋くんの家にも行った。

全部楽しかった。三橋くんが隣にいてくれたから。何をしてもどこに行っても、一緒にいるだけで。




「三橋くんともう1回デートしたいなあ」



「……しようよ！誘ったら三ちゃん、来てくれるわよ！」



「えぇー。来るかなぁ？」





私と二人きりだってわかったら来ない。ドタキャンしそうな予感しかない。
そして私のメンタルも破壊されるに違いない。

今日だって後半は無視されたのに。




「任せて！私に考えがあるから！」



「え、そうなの？……じゃあ、お願いします」



「うん！」





自信満々、笑顔の理子に三橋くんとのデートの運命を任せた。
まあ、ぶっちゃけ来てくれたらそれでいいんだけどね。そしたら帰すつもりないし。時間を費やせるまで費やしてから解散させる。


上手くいくかは置いといて。


もしデートできたら、を考えたら笑みが零れてしまうのです。





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