かけがえない日常 (ページ10)

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第９話ページ10

レッスンルーム

希「はぁ…、はぁ…」

ポタポタッと滴り落ちる汗。

それも拭わず希は踊り続けていた。

二人を支える存在になる為に

元々女子という事もあり良く思われていなかった希。

それを強く感じていたのか、見返す為に練習量を増やし血の滲むような努力をした。

今ではKinkiの一員として活動しているがそれでも足りないのか

毎日時間を見つけては練習をしている。

希「まだ…、あの二人に追いつけるように…」

キュッキュッ

ガチャ

剛「そこまでにしいや」

キュッ

希「はぁ…はぁ…。…つよポン」

剛「いつだったか言ったやろ？程々にするのが一番やって」

希「……」

剛「だから今日はここまで。また明日練習すれば良いんだから」

希「…つよポンには分からないよ。私の気持ちが！」

剛「希…」

希「こうやって頑張ったとしても見る人は表面だけを見て判断する。
昔だって今だって…。苦労を苦労と思わずに生きれたらどんなに良いか！
そんなの無理に決まってる…。どれだけ頑張ったとしても二人の背中には追いつけない。
評価も低いまま。私が二人の足を引っ張っている形になってる」

剛「希」

希「…何」

剛「この大馬鹿もん！」

希「…へっ」

剛「それを俺や光一。今のジャニーズの全グループ、ジャニーズJr.に言ってみい。
私は努力しても何も出来ません？違うやろ！むしろ努力してきたからこそ、ここまで一緒に歩んでこれたんやないか。違うか？なのにジメジメ言って。そんなんただの戯言や」

希「……っ」

剛「希。今まで沢山努力してきたのは隣にいた俺らがよーく知ってる。
だけどな、少し休むって事を知った方が良いと思うんや」

希「…くっ」

希の目から零れ落ちる一粒の涙

剛「辛い時は辛いって言って良いんや。泣き止んだらご飯を食べて風呂入って寝な。
綺麗さっぱり忘れて明日また頑張ればええんや」

グスッ

希「ズビッ…う、うん」

剛「光一も心配しているだろうし、落ち着いたらリビングにおいで。ご飯用意して待ってるから」

希「あっ…ありがとう」

パタンッ

希「つよポンにはいつも助けられてばっかだな…」