蕨姫花魁のお気に入りの遊女は……

悲惨な現場 ページ9

美与「キャアアア！誰かが死んでる！！」


臭いの元凶に辿り着いた二人。


美与はそれを目にした途端、悲鳴をあげた。


Aはそれを目にして呆然と立ち尽くした。


A「お、女将さん…」


それが着ていたのは確かに女将さんの着物であった。


震えた声で何とか声を絞り出すものの、それはひどく掠れていた。


遊女「どうしたの、美与ちゃん！Aちゃん！」


美与「うっ……うっ……」


ペタリと座り込んでしまった美与の代わりにAが駆けつけてきた遊女に震えた声を出す。







A「お、女将さんが……女将さんが……」







Aの口から出てきたのはそれだけだった。


あまりにも悲惨すぎるその現場に大きな衝撃をあたえたのだ。


「ひっ………！！」


二人の視線の先にあるものを見た遊女は固まった。





う、嘘でしょう？ど、どうしてこんな悲惨なことに…。






Aはその場に立ち尽くしていた。


石になってしまったかのように微動だにしなかった。

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