【MASHLE】悪魔と呼ばれるモノ (ページ33)

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This is why. ページ33

だがAはわからなかった。

どうして悪魔は体を乗っ取ることができたのに殺すのではなく、

致命傷も与えずに刺した後、傷を塞いだのか。

分からない。

ードスンードスンードスンー

『サソリが近くにいる。
　考え事してる場合じゃないか。』

【なあA、話すのは400年ぶりだな。】

『っ！！！』

頭が痛くなる。

ちょっと油断したら意識を持っていかれそうだ。

【俺と400年前にした契約を、やり直さないか？】

『具体的にどの部分を変えたいのさ。』

【やはり話が早いな】

【対等に話そう。来い。】

Aの意識は悪魔に奪われた。

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『相変わらず、趣味悪いね。』

【感性が優れていると言ってくれ。】

Aが目を覚ますとそこは大量の死体。

Aと悪魔が今まで殺してきた者たちだ。

ここはAと悪魔の共同意識内。

現実ではない。

【で、だ。
　俺はもう疲れたんだ。お前に全部やる。】

『というと。』

【お前の内で生きるのに飽きた。】

『つまり、そうすることで
　お前は400年来の死ぬ、という願いはかなうし、
　私も、私の中からお前がいなくなることで、封印という形じゃなくて普通に死ねるだろ？
　ってことを言いたいんだね。』

【その通りだ。】

『…。
　悪いね。今は無理だ。』

『初めて、“友達”と“信頼できるやつ”が出来たんだよ。
　それと、ちょっと試してみたいこともある。』

【ふん、やはり人間は下らん。
　そういうことなら俺も変わらずお前の支配を試み続ける。
　早く死にたいからな、俺も。】

『そんなこと言わないでよ。
　試したいことって君の実体を作ることのに。
　君の実体が作れたら、君は君で好きに死ねるし、
　私も君が死んだからって死ぬわけじゃなくなるだろ？』

【…。
　支配できた時はお前の体でお前の友達とやらを全員殺してやる。】

『やっぱり趣味悪いね。』

【さっさと戻らんとサソリに食われて死ぬぞ。】

『ふん、ツンデレめ。』

最後にAがつぶやいた言葉は誰にも届かない。

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