3:ドレスコード ページ3
DMには確かに、無慈悲な正装義務の文字。
マジか…!
がくっと項垂れる。
正装は極端に動きを制限してくるので苦手だ。
『これ…私もドレスアップですかね…』
「無論」
すぱっとアクセルに言い切られ、頭を抱える。
『ホントに? いつものコートじゃないとカタナ隠して持ち込めないよ?』
「そうさなぁ…カタナ以外を持つ。観念するのだな、Aよ」
『マジで?』
「マジだとも」
言いくるめられ、頭を抱えたままさらに唸る。
「何? Aはそんなにドレス嫌なワケ?」
「そういえば普段からAは体型を見せないコートばかりね…」
ナヴィとミラにそれぞれ不思議そうに見られ、観念して白状する。
『言っておくけど、着飾ることが嫌いなわけじゃないよ。可愛い服は可愛いと思うし、自分に似合うドレスならぜひとも着てみたい』
「なら…!」
ぱっと顔を輝かせたミラ。
もし彼女に見立てをお願いしたら、きっと私に似合うドレスを選んでくれるだろう。
『でもこういう検挙絡みの時だと、ちょっとどうかなぁ…』
「ドレスに合わせた靴に爪は仕込めないしねぇ」
『それが痛いんですよねぇ』
フクメンさんの指摘に同意を返す。
あえての超絶ピンヒールにして、殺傷能力伸ばすか…?
いやいや目的見失ってないかこれ。
うううん、と唸る。
愛用の短刀であれば、持ち込むのも難しいサイズではない。
うまく隠せれば、だが。
『正装ならいっそスーツでよくない?』
「いえ、やってみましょうA!」
気合充分、とばかりにミラが小さな握りこぶしに力を込めた。
どこか楽しそうに瞳を輝かせ、こちらに笑顔を向けてくる。
可愛い…けど、どうしてそんなにやる気に満ちているのか。
『えっ、何を?』
「ドレスに武器を隠して持ち込むの! スパイ映画みたいできっと似合うわ!」
『えー!』
どうしてスパイ映画を私に求めた…!
―――――
2018.01.16
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ミミ(プロフ) - 返信ありがとうございます!次の話がとても気になります!無理をせずに頑張ってください! (2019年11月23日 22時) (レス) id: 6588d83555 (このIDを非表示/違反報告)
満月もなか(プロフ) - ミミさん» レスが遅くなりました!コメントありがとうございます、ミミさん!かなり久々となってしまいましたが、少しだけ更新致しました。続きが気になるとのお言葉ありがとうございます、励みになります(*´ω`*) (2019年11月18日 14時) (レス) id: 8b355ee90b (このIDを非表示/違反報告)
ミミ(プロフ) - 続きがとても気になります!更新頑張ってください! (2019年11月10日 1時) (レス) id: 6588d83555 (このIDを非表示/違反報告)
満月もなか(プロフ) - ユーリさん» はじめまして、ユーリさん!コメントありがとうございます!地味に長い作品となってきておりますが、ここまで読んで下さりありがとうございます!少しでもお楽しみ頂けたのなら嬉しい限りです(*´ω`*)遅筆ではありますが、これからも精一杯更新頑張りますね! (2018年2月24日 1時) (レス) id: 31b67fc498 (このIDを非表示/違反報告)
満月もなか(プロフ) - ルキナさん» 前作に引き続きコメントありがとうございます、ルキナさん!レスが遅くなり申し訳ありません…!お優しいお心遣い、感謝致します(*´ω`*)近々また更新する予定なので、是非その際はお楽しみ頂けたら幸いです。応援のお言葉本当にありがとうございます! (2018年2月24日 1時) (レス) id: 31b67fc498 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:満月もなか | 作成日時:2018年1月16日 2時