俺が犠牲に…… Ryosuke.Y＿＿2

story 72 ページ22

薮サイド


涼介だけにメールを送る。

もう夜中の3時。

いつでもメールして

いいことになってるから

たまたま昼寝し過ぎて起きちゃったから

明日の練習のことで

忘れないように

今言っとこうと思って。

するとすぐに既読がついて、

こんな時間まで何してるんだろ？

って不思議になる。

仕事を今は休んでて、

こんな時間に起きる

なんてことはないはず。

心配になって電話することにした。

ﾌﾟﾙﾙﾙﾙﾌﾟﾙﾙﾙﾙ

山「もしもし？……ﾊｧﾊｧ薮ちゃん？……ﾊｧ」

なんで息切れしてんの？

薮「涼介！？大丈夫か？」

驚いて、思わず大きな声が出る。

山「何が？…ﾊｧﾊｧﾊｧﾊｧ」

薮「何がって息切れしてるから…」

すごい小さい音で、

俺たちの曲が聞こえる。

踊ってたのかな？

山「なんでもないよ。」

笑ってる。

笑顔で多分話してるんだ。

そのくらい声は明るくて。

ちょっと安心した。

でも、今の涼介は……

歩くことも、長距離は無理なのに。

薮「ちゃんと寝ろよ？」

山「うん。分かってるよ。」

薮「じゃ。また明日。」

バイバイ。

涼介は、静かに言った。

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