双子人魚の宝物(者)

秘宝41 ページ41

フ「人魚ちゃん本当のこと、言ってみて?」
主「あ……」
待って…嫌だ…
左耳で甘く囁き早く言えと急かすフロイド先輩
ジェ「さぁ…僕達に話してください」
主「ず、るい……」
少しずつ思っている事が口から出ていく
そんな私を優しくけれど獲物を狙う眼で見るジェイド先輩
主「リドル先輩はずるい…幼なじみのトレイ先輩に甘やかされて。
私だっていい子にしてたのに…ワガママも言わないで勉強も頑張って…
皆の言う事聞いていい子にしてきたのに…
なんで…なんで誰も私を褒めてくれないの…?
なんで私の事を見てくれないの…?
なんでいつもいじめるの…?
人間と人魚のハーフの何が悪いの?
私は…異形じゃ、化け物じゃ…ないのにっ
私は、わた、しは…ただ見て欲しいだけ…
必要とされたいだけ…褒めて欲しくて…
ただ好かれたくて…
愛されたかっただけなのに…なんで…な、んで…?
ずるい、よ…みんな…」
私は泣きながらそう叫び泣き眠ってしまった…

ジェ「綾乃さん…」
フ「人魚ちゃんんな事思ってたんだね
……人魚ちゃんにとってカニちゃん達といるのは辛いかもしんねーね」
泣きながら眠った綾乃の頬に指を滑らせ涙を拭うジェイドに対し
苦しくならないようギューッと抱きしめているフロイド
2人の顔にいつもの笑みはなく悲しそうな顔をしていた…
フ「ねぇジェイド…オレ暫く人魚ちゃんと一緒に居る〜」
ジェ「はぁ…フロイド何を言って…」
フ「ラウンジの仕事とか契約違反したヤツら締めるのもちゃんとするって…今の人魚ちゃん消えそうで怖ぇもん」
ジェ「仕方ないですね……ですがまずはアズールに許可を得てからにしましょう
それと…綾乃さんと一緒に居るのは私と交互にしましょう」
ため息をつき寮長であるアズールの許可を貰ってからと言いつつ
一日交代で傍に居る事を言うジェイド
フ「あはっ。何ジェイドも人魚ちゃん好きなわけ?」
ジェ「ええ…ですからフロイドに譲る事は出来ませんよ」
フ「んじゃオレとジェイドで半分こしよ
人魚ちゃんはオレとジェイドの宝者ってことで。ねっ♪」
ジェ「ふふっ…そうですね。
綾乃さんは僕とフロイドで半分こしましょうか
大事にしないといけませんね」
愛おしそうにそう言ったフロイドとジェイド

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