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187《arioka》 ページ39

有「俺…俺……」


周りに声が聞こえてるんじゃないかってほど大きめの声で泣いている

誰かに聞いて欲しいわけじゃない

むしろ泣いてるところを知られたくない

だけど…


有「どうしたら良いんだよぉ…」


いつも元気にやってきて

Aちゃんを守ろうって頑張ってた

だけどAちゃんを助ける事なんてできなくて

逆に助けられて…


有「もうわかんないよ…どうすれば…良いんだよ…」


Aちゃんは強いんだ

山田だって伊野ちゃんだって…

普段はあんなに弱そうなのに

誰かのことになると自分の命なんてまるで見えてなくて…

必死に守ろうとする…

だけど俺はそんな勇気はなくて…

ただ綺麗事のように守る守るって言ってたんだ


有「俺が…1番弱いじゃんか…」









伊「そんなことない」

有「…えっ」


寝ていたと思っていた伊野ちゃんが俺の手を握ってそう言った


伊「大ちゃんは弱くなんかない」

有「伊野ちゃ…いつから…」

伊「大ちゃんが泣き始めた時から」


随分と前から起きてんじゃん…


伊「確かに山田やAちゃんは誰よりも強い。だけど、"強い"ってそれだけじゃないでしょ?」

有「…どうゆう…」

伊「大ちゃんだけだよ。周りを安心させたり元気づけられるのって」

有「そんなの…」

伊「強さじゃないって?」


俺は黙って頷いた


伊「俺はそうとは思わない。だって俺が元気にしてたって鬱陶しいって思われて終わりじゃん?
大ちゃんが元気だと、うるさい、鬱陶しいって思う時もあるけど、皆は笑顔でしょ?」


…貶してる?褒めてる?


伊「俺だってポジティブなつもりだけど、いつもポジティブでなんか居られない。
他人の悲しみを考えずに自分の悲しみをつい先に考えちゃう。
大ちゃんが死んだら俺が悲しむ。
Aちゃんがいなくなったら俺が悲しむ。
だけど大ちゃんは違う。
自分のことも他人のことも常に考えてる。
そんなことできるやつなんていないよ。

自分は死んでもどうでも良くて
だけど皆には生きて欲しくて
そんな考えの俺は大ちゃんを尊敬してるんだよ…

俺以外にも…









__________なぁ、知念?」

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作者名:Alice | 作成日時:2018年12月14日 18時

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