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186《Chinen》 ページ38
泣き疲れたのかそれとも緊張の疲れなのか
多分どっちもだろう
Aちゃんは寝てしまった
知「…ありがと」
そっとベットから抜け出して代わりにAちゃんを寝かせて部屋を出た
歩くのはまだ少し辛かったけど、家の中ぐらい平気
下に降りようと階段の手すりを掴んだ時
どこからか誰かが泣いているような声がした
声がしているのは伊野ちゃんの部屋からだった
気づかれないようにドアを少し開ける
知「大…ちゃん？」
伊野ちゃんはまだ寝ていた
その横には大ちゃんが座ってて
後ろ姿でも泣いてるのがわかった
有「俺…俺……」
声をかけてあげるべきかあげないべきか
声をかけるのならばなんて声をかければいい？
いつも元気な大ちゃんに
明るいのが取り柄の大ちゃんに
誰よりもポジティブな大ちゃんに
かける言葉はなんなのだろうか？
…僕にはわからない
だって僕は…
知「真逆…なんだもん…」
大ちゃん以上の元気なんて知らないし
僕はいつも明るいわけじゃない
ましてやポジティブなんかじゃない
どちらかと言えばネガティブだ
いつだって悪い方向に物事を考えちゃって
自分の不安を周りに分け与えてしまう
そんなやつなんだ…僕は…
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作者名：Alice | 作成日時：2018年12月14日 18時
