broken emotion IV (ページ37)

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「涼…介…」

山「…ん。ごめ…」

涼介ゆっくり私から離れた

そしてゆっくりと車から降りた

「大丈夫？」

山「…肩…借りる…」

涼介の体重がかかった事を確認し、ゆっくりと家に向かって歩き始めた

家に着くと、大ちゃんが階段を上がろうとしていた

有「あ…」

「遅くなってごめんね」

有「…いや、全然」

山「大…ちゃん……ごめ…ん…」

涼介は立ってるのが辛そうだったから、そのままリビングに向かった

高「お、帰ってきた」

「遅くなってごめんなさい」

雄也さんは涼介を運ぶのを手伝ってくれた

「大ちゃんは…？」

高「伊野尾くん達の様子見に行くって」

「私も見てこようかな…」

私がリビングから出ていこうとすると、後ろから裕翔がついてきた

「裕翔も行くの？」

中「えっと…ちょっと言いたいことがあって」

その場に立ち止まって裕翔の話を聞く

中「大ちゃんさん…なんかちょっと様子がおかしそうだったんだけど…何かわかる？」

「大ちゃん？…ちょっとわかんないかも…」

中「そっか…なんかおかしかったからAちゃんならわかるかなって思ったんだけど…」

別に私は大ちゃんの彼女じゃないんだから…

私に聞かれても…

中「まあいいや！それだけ！」

裕翔はそのままリビングに戻った

階段を登って侑李の部屋に入る

「失礼します…」

もちろん起きてる訳もなく、ベットにそっと近づいた

知「…ん……」

そっと頭を撫でると、目がうっすらと開いた

「ゆ…うり…？」

知「…A…ちゃ…ん…」

伸ばされた侑李の手を優しく握る

知「よ…かっ…た…」

「こっちのセリフだよ…」

自然と零れてくる涙

それを見て侑李は悲しげに笑った

知「泣か…な…い…でよ…」

「故意じゃないもん…」

起き上がろうとする侑李の背中に手を回して支えてあげる

そして侑李に抱きついた

知「A…ちゃん？」

「良かったよぉ…死んじゃうかと思ったよぉ…」

今までにないぐらい弱い声で泣いた

そっと私の頭に置かれた侑李の手はとてもあたたかかった