broken emotion IV (ページ2)

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有「…来ねぇな」

約束の時間から30分

依頼人はまだ来ない

有「あっちの方から時間指定してきたのに…」

「忘れてるのかな？」

有「自分から依頼しといて？」

それもそうか…

きっと大事な事があるから依頼したんだよね

じゃないとお金払ってまで頼まないよね

「…紅茶飲む？」

有「うん、一緒に飲も」

小さなキッチンにいき、紅茶とコーヒーをいれる

私、紅茶好きじゃないんだよね…

「はい、紅茶」

有「ありがと…ん？なんかコーヒーの匂いしない？」

「うん、私はコーヒー派だから」

2人で隣合って座る

そしてそれから談笑しながら待つこと1時間

有「…来ねぇじゃねえか！」

「大ちゃん、日にち今日であってる？」

有「あってるよ！あそこのカレンダーに書いてあるから！」

大ちゃんが指さしたカレンダーに視線を向けると、今日の所にきちんと赤い丸がついていた

…何かおかしいかもしれない

そう思ったのは私だけじゃなかったかもしれない

突然電話が鳴った

有「はい。もしもし…はい…はい……はい、分かりました」

大ちゃんは電話を切ると、ため息をついた

有「パソコンにメールで地図を送っといたのでその場所に来てください…だって」

「今から？」

有「そーらしい」

なんて自分中心な依頼人なんだ

なんて愚痴を心にしまい、今まで飲んでいたコーヒーと紅茶のカップを片付けて事務所をでた

・

・

・

「この地図の場所って依頼人の家なの？」

有「うーん…よくわかんない」

「なんか怖くない？」

有「銃は持っといた方が良いかもね…」

ポッケの中の銃を何となく触る

「…ちゃんと撃てないけどね」

有「大丈夫、冷静になれば撃てるよ。Aちゃんなら」

意外にも真面目に微笑みながら返してくれた大ちゃん

「ありがとう(ﾎﾞｿｯ」

有「え？」

「ん？」

頼もしいよなんて言わないもん