chapter.3 エガオ ページ5
あれから時は過ぎ、あっという間に夜になった。と言っても外が見えないから分かんないけど。いつものように出される大量の薬を涙目になりながら水と一緒に流し込む。これが夕食だと。笑わせんな。…と思ったのも此処に来た最初の頃だけ。
その時ｶﾞﾀﾝｯと机の上のものが落ちて肩がびくっと震える。風か何かで落ちたのか…？
その次はﾋﾟｯという軽快な機械音が鳴り響いた。
rd「やっほ〜A。暇だから一緒にご飯食べよ〜」
らっだぁはビニールの袋詰めの中に黒い物体があるものを数個持ってきた。それとペットボトルを一本。
『…』
rd「だから無言で布団被らないで！？」
布団から出て無表情のままらっだぁを見上げる。
rd「あ〜…そっか。研究所では普通の食べ物出されないんだっけ」
『…？』
rd「そうそう！それより、これ何か分かる？」
『……馬鹿にしてる？こんなの勿論…
…これ何？』
rd「だよね〜勿論知って……って知らないの！？」
何故か信じられない、とでもいいたげな表情のらっだぁ。
rd「これはコンビニのおにぎりだよ〜」
『………こ、こん？こんび…こんぶ？』
rd「昆布！？」
説明してもらったが、どうやら色々な物が気軽に買えるのがこんびにというものらしい。そして、ごはん？にのり？を巻いたものをおにぎり。
rd「…折角だし優しいらっでぃがひとつくれてやろう！」
『…なんか腹立つ』
rd「ひど！？」
いつもの薬の受け取り口からおにぎりというものが渡される。…なんだかいい匂い。
記憶の限り食べたことがないから、少し食べるのを躊躇う。少しの間を空け、私は思い切ってかぶりついた。
パリッとのりが弾けて、ごはんがふんわりとした甘みが口の中を包み込む。その後に遅れて少しパサついてしょっぱくてでも甘い何かが舌の上で溶けた。
rd「わ、めっちゃ美味しそうに食べるじゃん」
ごくりと飲み込むと、暫く薬以外のものを口にしていないせいか食道から胃にかけて気持ち悪い感覚が流れた。
『中に入ってるやつ、何？』
rd「あぁ、それは鮭だよ」
『…しゃけ』
でも、その気持ち悪さが何故かそんなに気にならなかった。
『…ありがと、らっだぁ』
私がそう言うと、らっだぁは石になったように固まった。
rd「…Aの笑顔かわよ」
そう呟くようにらっだぁの耳は微かに赤く染まっていた。
…そういや、少しほっぺたが痛いような。
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人間 - 好きです()神 (3月26日 22時) (
レス) @page45 id: 89c49f19f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。〜最近kpopはまり中〜 - 更新ありがとうございます、、！(泣) (1月14日 12時) (レス) @page37 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。〜最近kpopはまり中〜 - やっぱり好きです！他の作品も神だし、、！夢主のキャラ被りがなくて尊敬します！更新無理ない程度に頑張ってください。１カ月でも１年でもずっと待ってます！ (1月10日 10時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
桜音羽 - 何これ、神作じゃないですか！？ いのりさんは神様です！ 国宝になるべき！！ (8月5日 23時) (レス) @page31 id: 9667935504 (このIDを非表示/違反報告)
みなもち(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます！！！いつも1話なのに今回は4話も…！本当にいのり様の作品大好きなので投稿されると本当に嬉しいです✨今回のお話も少し胸に来るものがありました！素敵な作品ありがとうございます😊 (6月25日 0時) (レス) @page31 id: 422edee945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎いのり | 作成日時：2022年4月4日 9時
