chapter.35 驚愕 ページ37
ガシッ、と強い力が右肩にかかる。ヒュッと喉からか細い声が漏れて、身体が一際大きく震えた。ギギギ…と油を差し忘れた動きの鈍い人形のようにを首を回して後ろを向いた。
rd「Aさ〜〜〜ん？？？」
『ひっ、』
見つかってしまったら廃棄になるのかな、という先立つ恐怖と実験後の痛みに苛まれながら何とか踏ん張っていた身体は、らっだぁの姿を確認した瞬間、驚きと安心感で力が抜けてへなへなと地面に座り込んだ。
rd「俺自分大切にしろっつったよね？はい、今Aは何をしましたか、教えてください。」
『………実験後でボロボロになってるのに、すぐ部屋に戻って休まず資料室に不法侵入しました。』
らっだぁと目を合わせることなく、淡々と自分がしたことを述べた。
rd「で、何が欲しいの。」
『………えっ？』
らっだぁは資料室の奥の方へ歩いていくと、棚を眺めながらそう問い掛けてきた。
rd「だから、こんなとこに入ってまで何が欲しかったのって聞いてんだけど」
言い方は少しぶっきらぼうで冷淡だけれど、らっだぁの行動はまさしく私の逃亡の手助けをしているもので、相反する言葉と行動に唖然とするしか無かった。顔を逸らされたままだからどんな表情をしているか分からないけど。
『いい、自分でやる』
rd「おまえさっきの話聞いてた？？」
『いつまでもらっだぁに頼ってばっかりだと、何も出来ないから』
なんて少し強がりなセリフを言ってはみたけれど、肝心の身体は思ったように動かなくて、自分が情けなく感じる。
rd「俺よりカッコよくて泣けてきた」
なんてセリフを真顔で言われる。なお、泣けてきた、という言葉の割に泣きそうな気配はない。
rd「はい、用がないなら帰るよ〜」
『え、待って。下ろして、』
ヒョイと身体を持ち上げられたかと思うと、資料室の扉をくぐり抜けて外に出た。ジタバタと暴れようとはしたけれど、生憎身体が上手く動いてくれなくて、ただらっだぁに連れられるがままになっていた。
rd「心配してんの。これでも、Aのこと。……だから、お願いだから危ない行動しないで」
上から降ってきた声は、あまりにも切なげで。そんな声を聞いてしまったら暴れることなんて到底出来なくて。私は黙ったままこくり、と頷いた。
……結局、何にも調べられなかったな。
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人間 - 好きです()神 (3月26日 22時) (
レス) @page45 id: 89c49f19f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。〜最近kpopはまり中〜 - 更新ありがとうございます、、！(泣) (1月14日 12時) (レス) @page37 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。〜最近kpopはまり中〜 - やっぱり好きです！他の作品も神だし、、！夢主のキャラ被りがなくて尊敬します！更新無理ない程度に頑張ってください。１カ月でも１年でもずっと待ってます！ (1月10日 10時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
桜音羽 - 何これ、神作じゃないですか！？ いのりさんは神様です！ 国宝になるべき！！ (8月5日 23時) (レス) @page31 id: 9667935504 (このIDを非表示/違反報告)
みなもち(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます！！！いつも1話なのに今回は4話も…！本当にいのり様の作品大好きなので投稿されると本当に嬉しいです✨今回のお話も少し胸に来るものがありました！素敵な作品ありがとうございます😊 (6月25日 0時) (レス) @page31 id: 422edee945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎いのり | 作成日時：2022年4月4日 9時
