chapter.34 調査 ページ36
研究所から逃げる、と言っても、私はフィナのように情報を持っているわけではなかった。以前に私達が脱走しようといた時は、私を危険な目に遭わせまいとしたのか、必要最低限の情報が渡されただけだった。彼女から渡された資料を、らっだぁが去るのを見届けた後に地面に広げた。研究所の地図、研究の予定表……などその他諸々。どうやって集めたかって聞いても、彼女はハッキリと答えてくれなかったのを覚えている。
さて、どうやって情報を集めるか……。
単純にらっだぁに頼んでみるのもありだけれど、彼も腐っても研究者だ。少しばかりリスクが高い……気がする。他人から聞くことはあまり期待しない方がいいかもしれない。それなら……自分で集めるしかないのか。
✽✽✽✽
「じゃあちゃんと戻れよ」
名前も知らない研究者の人にそう吐き捨てられ、早足気味に去っていった。素っ気ない態度だけれど、これでもまだマシな方。体に響く痛みに耐えながら、引きずるようにして足を運ぶ。久々に受けた実験だけれど、やっぱり体に結構堪える。でも、調べなきゃ。
研究者によっては、研究後の移動を手枷などを付けずに自由にしてくれる人がいる。部屋に移動するまでの少しの時間、調べる時間がある。その時間で何とか調べられたら………
なんて簡単には言うけれど、実際問題見つかったら終わりだし、かなり危ない橋を渡っている気もする。
千鳥足で何とか資料室に辿り着いた。辺りを見回して大丈夫、と心の中で唱えるとドアノブに手をかけた。
フィナはもうちょっと上手くやったのかな、なんてらしくもない考えが浮かんでは首を左右に振って消す。ダメだ、弱気になってちゃ。
捻られたドアノブをそっと押すと、中からふわりと紙の匂いが漂う。至るところで薬品の匂いが渦巻いているこの研究所の中じゃとても珍しい。早く行動しなければいけないと分かってはいるけれど、あまりに見慣れない景色に身体の動きが止まった。視線が忙しなく動く。痛みなんてとうに忘れてしまっていて、次はどうすればいいんだっけ、なんて頭が上手く動かなかった。
だから、後ろの人の気配にも気付けなかった。
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人間 - 好きです()神 (3月26日 22時) (
レス) @page45 id: 89c49f19f9 (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。〜最近kpopはまり中〜 - 更新ありがとうございます、、！(泣) (1月14日 12時) (レス) @page37 id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
ちょい。〜最近kpopはまり中〜 - やっぱり好きです！他の作品も神だし、、！夢主のキャラ被りがなくて尊敬します！更新無理ない程度に頑張ってください。１カ月でも１年でもずっと待ってます！ (1月10日 10時) (レス) id: de8cd53295 (このIDを非表示/違反報告)
桜音羽 - 何これ、神作じゃないですか！？ いのりさんは神様です！ 国宝になるべき！！ (8月5日 23時) (レス) @page31 id: 9667935504 (このIDを非表示/違反報告)
みなもち(プロフ) - 久しぶりの投稿ありがとうございます！！！いつも1話なのに今回は4話も…！本当にいのり様の作品大好きなので投稿されると本当に嬉しいです✨今回のお話も少し胸に来るものがありました！素敵な作品ありがとうございます😊 (6月25日 0時) (レス) @page31 id: 422edee945 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神崎いのり | 作成日時：2022年4月4日 9時
