【ﾛ兄鬼2】放課後、秘密の恋愛授業2【rdo】 (ページ7)

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52時間目ページ7

プチン、と何かが切れる音がした。

嬉しさとか感謝だとか、そんなものの代わりに溢れ出してきたのは……怒り。

『……………………で。』

rd「なに？」

『そんな簡単に言わないでッ…！！先生なんてまだ会ったばっかで私のこと何にも知らないくせに…！！軽々しく言うなよ…！！この無神経ヘラヘラ猿教師が…！！！！』

………と、ここまで叫んだところで、ようやく冷静になった。そして、絶望した。サーッと血の気が引いていく。折角ちょっとノリが良い普通の生徒になろうってしたのに、思わずキレて暴言が出てしまった。ダメだ、終わった。

ごめんなさいっ、ちょっと冷静じゃなくなっちゃって！テヘッ☆と誤魔化すことなんて到底出来ず、最後の手段として出来るだけ先生の顔を見ないようにして目を伏せた。

rd「………………………プッ」

えっ？

返ってきたのは、怒った声でも悲しむような声でもなく、吹き出すような音だった。もしかしてコイツ……笑ってる、？

rd「ちょwそれは変わりすぎだってぽまえwwあー…ダメだw」

『な、なに…！！』

顔がかあぁっと赤くなって、それを誤魔化すように大声を出したけれど、猿山とかいう教師は腹を抱えて笑い続けるだけだった。良い言い訳も特に思いつかず、ついに説得を諦めて立ち去ろうと背を向ける。

rd「はーっ……笑った笑った！

……うん、やっぱそっちの方がいいよ」

ひとしきり笑ったあと、とろりと溶けるような柔らかくそして優しい瞳でそう言う先生に、吐こうとしていた暴言が急に出なくなった。何かを言い換えそうと口を開けるも、それは金魚が酸素を求めるようにはくはくとするだけで言葉は出てこなかった。

『………帰る、』

一言そう言い残して、逃げるようにして先生から離れた。

rd「じゃあな、気をつけて帰れよ〜」

また明日な〜と手を大きく振って見送る先生を一瞥し、すぐさま視線を外して、駆け足でその場を立ち去った。

……調子が、おかしくなる。

ぎゅっと手に力をこめた。そうでもしないと、あの先生に狂わされそうだった。それを例えるとするなら、順調に回っていた歯車達に、急に何かの拍子で流れが変わり逆回転していくような、そんな感じ。

『………あんの猿教師が……！』

当時の私は、らだお先生への暴言を吐いて誤魔化すしか出来なかった。