【ﾛ兄鬼2】放課後、秘密の恋愛授業2【rdo】 (ページ6)

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rd「ほんと助かる！マジでありがとう！」

『先生の頼みなら断れませんって〜』

なんて普段のノリで軽い調子で話してはいるけど、内心悪想念でいっぱいだった。何で私が……なんて心の中で文句を垂れながら、片付けの手伝いをする。我ながら演技が凄いかもしれない。賞も夢ではないかも。女優になれちゃったり？
いや、そんなわけないやろ。と一人心の中でノリツッコミをする。そう、誰が見ても明らかに現実逃避が始まっている。顔には出してないけど。

rd「Aさんってさ」

すると、不意に先生が声を掛けてきた。はい、と頷いて次の言葉を待つ。しかし次の瞬間、先生の放った言葉に私はガンと頭を殴られたような衝撃を受けた。

rd「俺の事嫌い？」

遠慮もしない直球な質問に笑顔が崩れる。言葉が詰まり、咄嗟に次の台詞が出てこなかった。
おかしい、隠してたはずなのにどうしてバレたの？何かヘマしたのか？と焦りに苛まれながら自問自答する。

rd「お、図星？」

『……いや、そんなわけないじゃないっすか〜〜も〜〜冗談キツイな〜〜〜！』

出来るだけ普段の調子で茶化したように笑った。不自然かもしれない、けど今の自分にはこれが限界だった。

rd「え〜？そうかぁ〜」

少し納得がいかなそうにする先生。でも、この会話を最後に、これ以上この話題に触れることはなかった。

…やがて片付けが終わり、ありがとうございました。と軽く会釈をして立ち去ろうとした。

rd「あ、待って」

『なんですか〜？』

立ち止まり、くるりと身を翻す。そして、パチリと視線が合わさった。優しいように見えて、その奥は何も見えない、何を考えているのかも分からない、少しだけ手を伸ばしてみたら絡め取られて引きずり込まれるような、綺麗だけれど底の見えない深海のような瞳が私を映した。

rd「もう少し素直でもいいんじゃないかなぁ。」

……先生の言っていることがよく分からなかった。

『……素直って、？』

rd「いやぁ、俺が見た感じ、なんか笑顔作ってるなぁって。わざと周りに合わせてたりしない？大人になったらそういうことはいっぱいあるから、今は隠さなくてもいいんじゃないかなぁって俺は思う」

……今の私が聞いていたなら、もしかしたら嬉しがっていたかもしれない。感極まって泣いていたのかもしれない。けれど、当時の私は違った。