【ﾛ兄鬼2】放課後、秘密の恋愛授業2【rdo】 (ページ5)

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それは小学6年の春、始業式の日。小学校最後かー、としみじみ感じながら新しい教室へと足を踏み入れた。いつもなんだかんだでつるんでいるロボロくん達とも全員同じクラスだったから、今年は面白い1年になりそうだとぼんやり考えていた。その時、見覚えのない姿が教室に現れる。各々で会話を交わしていた人達が一斉に前に向く。

「はい、どーも。今、このクラスの担任になる猿山らだ男でーす」

よろしく〜と緩く、けれどどこかへらへらとした感じで担任は現れた。女子達は興奮したようにこそこそと話をし始めたけれど、私は特に興味は惹かれなかった。それより、どこか取り繕ったような笑顔が少しだけ気がかりだった。いや、気がかりとかではないな。言ってしまえば、それは嫌悪の感情に近いものだった。いわゆる毛嫌いとかいうものだと思う。それか、何処か自分に通ずるものがあったのかもしれない。自分も笑顔で取り繕うことが多いから、もしかしたら同族嫌悪のようなものだったかもしれない。今となっては分からないけど。

……どちらにせよ、関わりは最低限でいいかもしれない。そんな事をぼんやりと思案しながら、いつもでメンツで軽く話を交わした。

✽✽✽

そして間もなく、初めてのらだお先生の体育の授業が始まった。教え方というかは普通に分かりやすくて、女子達の先生人気はうなぎ登り。遠くから見てるとわりかしノリとかも良いらしく、新しいクラスになってから間もないのに既に色んな生徒からイジられていた。随分と生徒との距離が近いんだなぁ、と遠目に見て朧げに感じた。そうこうしているうちに今日最後の授業が終わり、みんなが帰ろうとしているところ

rd「あ！え〜っと、……Aさん、で合ってる？」

ふと、らだお先生に呼び止められた。予想外だった。特に何かしたわけでもないし、かといってあからさまに嫌な態度を取っていたわけでもない。出来るだけ刺激しないように距離を置いていたのに……何がいけなかったんだろうと思考を巡らせながら、面では愛想の良い笑みで答えた。

『……はい、そうですけど。どうしたんですか？』

rd「ちょっと片付け手伝ってくんない？一人じゃ大変でさ〜」

お願い、と少しあざとく(当時の私は微塵もそう思ってなかったけど)頼まれて、当然担任の願いを断れるはずもなく、表ではニコニコと了承し、裏では嫌気に揉まれながら先生と体育館倉庫へ向かった。