【ﾛ兄鬼2】放課後、秘密の恋愛授業2【rdo】 (ページ2)

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rd「最近、また嫌な事されてない？」

唐突にそんな質問が投げかけられた。体育座りの姿勢で、丸まるような体制で返事をした。

『……特には、されてない』

rd「そっか。良かった」

私の返答に安心したように、先生の声色は柔らかくなった。そして、ほんの数刻、雨の音が私達の間に密かに降った。

rd「Aってさー」

『？』

rd「変わったよね」

思わず先生の方を凝視した。先生は、今も激しく降る雨を眺めながら、その目は他の遠くにある何かを見つめていた。

rd「昔はたまーに空っぽな目で変なとこ見てたりしてたし。でも、最近は大分元気そうで」

『……先生だって、昔はずっとヘラヘラしてたじゃん。今もそうだけど』

rd「ははは、ひでぇ〜」

先生は満更でもなさそうに軽く笑い、そしてその言葉の後また沈黙が訪れた。

rd「A」
　

不意に、優しい声が私を呼んだ。

『何？』

rd「A」

『何？』

rd「A」

『だから、どうしたの？』

rd「ちょっと、名前呼んでみたいなって思っただけ。ね、A」

少し反応するのが億劫になって、返事をしないでいると、ふと頬に先生の手が触れた。雨で少し冷えたのか微かに冷たかった。それに反応するように目線を先生に移した。

rd「A、大好き。」

すっ、と蒼い瞳を細め、少し掠れたような声で先生は言った。私も、と何も考えず反射的に返せたらどれだけ良かっただろうか。大好き、という言葉に嬉しく感じると同時に、それをどういう意味で言ったんだろうと変に勘ぐってしまう自分がいた。結局何も答えられずただ頷くことしか出来なかったけれど、先生はそれで充分満足そうだった。

『……雨、上がったね』

気がつけば、嫌になるほど降っていた雨はすっかり止んで、綺麗な夕焼けが姿を現した。

rd「A」

『どうしたの先生…って、わぁっ！』

立ち上がろうとした私の手腕をぐいと引っ張り引き寄せられた。そして、唇に柔らかい感触が伝わる。

rd「お願い。もう少し一緒にいて」

そう切なげに笑うものだから、私は断る事もできずただ頷く事しか出来なかった。いや、本当は断る理由もない。私だって、もう少し………。

いつの間にか雨は止み、空には虹がかかっていた。