イカはいかが？【contami】【ら運営】

27匹目 ページ27

こんこんこん


ノック音が部屋に響く。…が、当然返事する気力もない私はぼんやりと何もない所を見つめていた。


？「Aちゃん？入るよ〜」


病室に入ってきたのは、親でも病院の先生でもない…コンタミさんだった。



cn「元気なさそうだね、大丈夫？なわけないか…」


コンタミさんは、病室に入ると椅子に座って、私の方を向いた。


cn「ごめんね、仕事が忙しくってなかなかお見舞いに行けなかった…

だからこれ持ってきたよ」


はい！と差し出されたのは、1輪の紫色の花。



『……アヤメですか？』



cn「ん〜ちょっと違うかな。これは"アイリス"っていうアヤメ科の花だよ
意味は…




"吉報"。Aちゃんに元気になってほしいから持ってきた！」


そう言ってコンタミさんは、えへへとはにかむ。



『ありがとうございます。さっきよりは元気になりました』



私も笑顔を作ってみせる…が、思うように表情筋が動かない。



cn「…ところで、何かあった？」


『…』



どうしよう


言って心配かけたくないし、でも病気のことを隠し続けるのもしんどい。




私は、どうすれば…


















『…私、半年後に死にます』


cn「…えっ？」


コンタミさんは、目を見開いて硬直した。







cn「…そっか」


やっと声を出したかと思うと、目を伏せて力なく笑う。


cn「…ごめんね。Aも辛いはずなのに…ごめん…力になれなくて本当にごめん…」



そして私を、壊れ物を扱うかのように、私の存在を確かめるかのように優しく抱き締める。


それで冷えきっていた体がふんわりとした温かさに包まれて、同時に心もじんと熱を帯びてくる。











cn「Aはさ、どうしたいの？」


あの日の夜の出来事がフラッシュバックする。水に濡れて衰弱していた私に向けられた時と同じ真っ直ぐな瞳が私を射抜く。



『…私は…








もっとみなさんと一緒にいたい。もっとレウさんのご飯が食べたい、もっとみどりさんとゲームしたい、もっときょーさんと海を眺めたいし、もっとらっだぁさんをいじりたい。それに…


もっと、コンタミさんと色々な事を話したい。


もっともっと…生きたい。生きたい…！』















私も真っ直ぐコンタミさんを見つめ返す。すると、コンタミさんはふっと顔を綻ばせると、私の髪にそっと触れた。

cn「よく言ったね。大丈夫、俺に任せて」


そして、温かい体温に包まれる。





―温かい雫が頬を伝って、静かに流れ落ちた。

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