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木村side



明日は再評価だから、早めに寝ようと思ったけど

なんとなく踊りたくなって、練習室に戻ってきた。


もう夜遅いから、誰もいないだろうっていう予想は間違っていて

1つだけ電気がついてる


誰だろうと思って見たら、Aだった。


踊ってる姿に見とれてしまっていた。

Aのダンスは繊細で、人を惹きつける。



曲が終わったところで「おつかれ」といって部屋に入ると

Aはとても驚いていた。


「柾哉くん!ちょうどいいところにいた!」

「私のダンスに変なとこないかチェックしてくれない?」

といって、返事を聞かずに踊り出す。




木村「うん。間違ってるところないよ。」

「でも・・・」

Aは不安そうな顔してる。


木村「どうしたの?」

「なんか自分を表現しきれてない気がして」

木村「でも、今のAはとっても楽しそうだったし、自分を表現できていたんじゃない?」

「私ね不安なの。

  やっぱり女子がいることに否定的な国民プロデューサーの方もいるわけだし。

  だから、誰にも劣らないような実力をつけたい」

そう言ってやっぱり不安そうな顔をしている。今にも涙がこぼれそうだった。


木村「おいで。不安なら全部吐き出しなよ」

両手を広げると、ちょっと躊躇しながらもやって来て

「大丈夫。大丈夫」

というとAは泣き出した。



やっぱり不安だったんだろうな。

しばらくして、急にAが顔を上げてにこって笑った。

「もう大丈夫。すっきりした。」

木村「うん。じゃあ、あと一回踊って帰ろう。」



2人で夜遅く踊ったレミフラは今までで一番楽しかった。



「よーし。明日の再評価頑張ろうね!」

そう言ってバイバイするAの手を思わずつかんで引き寄せようとした。

途中で思いとどまったんだけど。


木村「うん。頑張ろうね。」

そう言うと、いつもの花が咲いたような笑顔で

「おやすみ」

と言ってくれた。

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作者名:みは | 作成日時:2021年8月2日 12時

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