【イナギャラ】偽りメルシーpartⅢ (ページ8)

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第９７話ページ8

自室に戻るなり、１０分ぐらい経った後に、おばちゃんに呼び出される。
どうやら、私に訪問客らしい。

誰だろう、と思いながらロビーへ向かうと、そこには白銀の髪に燃えたぎるような赤い目をもった、あの剣城大好き人間(笑)←がいた。

「…おい、今俺のことをバカにしなかったか」
『してないしてない』

ずいっと距離を縮められ、その時に起きた小さな風に運ばれ、目の前の男のものと思われる匂いと、微かにタバコの臭いがした。

後者が鼻を霞めた瞬間、私は怪訝な顔をした。

(…やっぱりコイツ、不動さんと会ってやがる。つーか、私タバコの臭い嫌いなんですケド。)

まぁいい、といいながら離れる奴は、少し考える素振りとして奴自身の右手を顎に添えたあと、落とした視線をこちらへ向けた。

「お前、このチームについてどう思うんだ？」
『いじりがいのある楽しいチーム…ていうのは嘘で、やっぱりどこかつまらないチーム』

「それじゃあ、俺のチームに移転しようとは思わないのか？」

『…は？』

そんな質問が飛ばされたとき、私はなんて答えればいいのかわからなかった。

(…コイツに、チームだと？
正直、私とやりあえる実力があると思うけど…それじゃあねェ？)

本来、強い(と思われる)チームの誘いが来たら、大体の人は二つ返事で返すだろう。

だが、私は…。

『＿＿考えさせてもらうカラ。
だって、強い奴を潰す楽しみを消されても困るし？だから今度ぶつかったときは、私を喜ばせてみせてヨネ』

あえてその誘いをすぐには承諾しなかった。