【イナギャラ】偽りメルシーpartⅢ (ページ47)

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第１３５話ページ47

あのあと、私はキャプテンに連れられて
グラウンドに移動をした。

何となく。
コートのサイドライン一歩手前で足を止めたキャプテンの右となりに立つことにした。

「あのさ＿＿＿」

『え、＿＿＿あのときの紙を詳しく知りたい？
何ソレ、私の原稿通りだったらアナタでもわかると思うんですケド』

「そうなんだけど、他の人のも凄くビフォアフ感があって無理だった！」

今日の早朝練習終了したあと、それぞれ自室に戻った際に、
テーブルの上には私がメモを取った紙の完成版がおいてあったらしい。

…あれでわからない、っつーことはみのりが書き間違えたりしたのだろう。

『(雷門のマネージャーにヘルプすればよかっただろーに。)
へェー？まぁいいや。じゃあまずそこは』

私が話始めたその時、背後から知っている大きな気配が一つ。

慌てて後ろへ振り向いたその先に、
あの見知った白髪の頭と大きな黒いサングラスの男がいた。

『…監、督。どうかしました？』

キャプテンから離れて監督へ近付こうと駆け寄ろうとした。

だけど、監督は左手をポケットに突っ込んだまま、
ぶら下げていた右手の平を私へ向けるように右腕をあげた。

＿＿＿へんな胸騒ぎがする。
背中で、一つの冷や汗が流れた。

「松風」

「は、はいっ！」

「灰崎を抜いた(・・・・・・)マッハタイガー戦のフォーメーションを早いうちに私に出せ」

「そ、そんな？！」

「…お前はマッハタイガー戦が終わるまで、
試合には一歩も出るな。以上」

『…え』