【イナギャラ】偽りメルシーpartⅢ (ページ26)

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第１１４話ページ26

『…星章学園までお願いします』
「おなしゃーす！…いでっ」「…お願いします」

先日裕翔に教えてもらったバスに乗り込んだ私たちは、座席に座ったあと、サッカー部に一体何があったのかをその場で話し出した。

本来なら地下鉄などでも良かったが、とにかく落ち着きたかったがために全会一致でバスにした。

『…で、昨日突然表れた少女にサッカー部が壊滅されたってことで良い？』

「あぁ…相当な実力者のようだ。キャプテンを務める２年の牛嶋さんでさえも歯が立たなかったとか」

「それでね、ウチと裕翔は学校の問題でもあるから少しだけ耳に挟んだくらいなんだけど＿＿」

_______その子、Aに似てたんだって。

そう言った瑠衣の言葉に、私はすぐさま答えるほどができなかった。

『…は？だって、私は昨日鬼道さんに会いに行ってたんですケド』

「その件については大丈夫だ。俺らも実際にあの人に確認をとったから」
「ボイスレコーダーもあるから証拠としてはOKだよ！」

そういって、私が彼女のスマホに繋がれたイヤホンの片方を耳につけたのを瑠衣は確認すると、彼女は再生ボタンを押した。

《もしもし、瑠衣です。き、鬼道さん、今日って何をしてましたか？》
《もしもし。…あぁ、瑠衣か。どうしたんだ、突然》

《実は＿＿＿》

《…そうか。今さっきまでは灰崎妹と少ししたいことがあってな。
そういう証拠は俺だけじゃない。ちゃんと円堂にも風丸にもある。良かったら聞くと良い》

鬼道さんの声は、そこで途切れた。