【イナギャラ】偽りメルシーpartⅢ (ページ25)

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第１１３話ページ25

その時、誰かの足音がしたと気づけば、目の前には"雷門のマネージャー"がいた。

「ねぇ、Aさん。好葉ちゃんは私が探しにいくから＿＿＿」

『うるさい。悪いけどこれも監督の指示なワケ。
アンタたちは頑張ってキャプテンのレベルにまで追い付くことを目標にして頑張れば？
…ま、お前らが追いついたところで私に敵わないだろうケド』

そう言い放って、私はマネージャーの横を通りすぎた。
その瞬間だった。

「おぉーーーい、Aーーー！」
「バカ、叫ぶな瑠衣！」

『…瑠衣？裕翔？』

昨日の電話越しに聞こえてきた声が聞こえ、必然的に顔をあげた。

それと同時に、首に物凄く強い衝撃が走る。

目をつむっていても誰なのかは解るので、私はソイツの体を無理矢理引き剥がし、二人の手を引いて駆け出した。

「え、A。着替えなくてもいーの？」
『っるっせぇ！誰のせいだと思ってるワケ？！』

「わたしのせーい！」
「…でもやっぱり着替えて」

そう裕翔に呟かれると、私は小さく舌打ちをし、自室へ駆けていった。

二人の手は、私が放しても離れることはなかった。