【イナギャラ】偽りメルシーpartⅢ (ページ16)

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第１０４話ページ16

…"ワタクシの力でどうてことにもなる"？
いったいどういうことだ？

監視されている画面をいじることができるっていうことなのか？

＜フフ…、そう。なんと、監視映像を誤魔化すことが出来るんだよー！
あ、ちなみに今は、貴方が勝っていることにしてあるからね＞

『…何ソレ、そんな事しても大丈夫なワケ？』

＜これも自分の自由のため！只でさえLv.1のシステムを実行するだけでも面倒なんだもん。
…そうだ、知ってた？あの鉄骨のステージ、貴方がメインにしてあるんだよ？＞

唐突に言われたその事実(？)に、私はただ驚くだけしかできなかった。

＜あれ、どうして黙っちゃうの？もしかして信じてくれてないの？！ひっどーぉい、ワタクシは事実を述べただけなんだよー？＞

…これが真実なら、どうしてそんなことを言えるンだよ。

＜クフフ、"どうして言えるか"って？
だって、黒岩流星はプレイヤーすべてのデータをワタクシに入れたんだよ？そのあとにあの人自身で考案したプログラムを繋げれば容易に想像は付けるってこと＞

『…そんな』

ようやく喉を通ったその音に呼応するよう、その少女はまた微かに笑う。

＿＿＿＿その時だった。

＜どうやら、貴方は＿ャ＿＿い…の＿＿と…が＞

目の前にいる"少女"にノイズが走る。
…声だけでなく、体にでさえも。

その"少女"は、私に途切れ途切れとなった手を伸ばす。
私もまた、反射するように手を伸ばすために椅子から立ち上がったその時。

「＿＿＿お前はどうして私の言うことを聞き入れないのだ？」

草原もあの"少女"も消え、後ろには黒岩監督だけが立っていた。

みのりも、あの青いマネージャーも、プレイヤー誰一人いなかった。