【イナギャラ】偽りメルシーpartⅢ (ページ2)

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第９１話ページ2

『つ、るぎ？』「…平気か」

彼にはきっと、私の体にはダメージが蓄積されているのに気づかれているのだろう。

あぁ、なんだろう。

頭がふわふわしてる。

このまま目を閉じたら、寝てしまいそうだ。

【なら、ワタクシに任せてよ】

…今だけは、どうか。

【チームが勝てる力を貸してあげる！】

＿＿＿試合を見届ける気力がほしい。

「灰崎！！」

ハッとして、薄らぎかけた意識は一気に覚醒した。

私の体は寝転がっているのだろうと思い、上半身を起こそうにもうまく起き上がれやしない。

頭に"ハテナ"を浮かべながらかるく回りを見回せば、普段よりも地面の景色が少しだけ広く見えるのが感じた。

『剣城、下ろして…ほしいんですケド』
「安心しろ、今すぐ下ろす」

靴の裏で芝生に触れた音がして、そのまま地面にたった。

それを見て、とある奴がこちらまで駆け寄ってきた。

「A、大丈夫？！」
『…野咲。何とか平気』

＿＿何でだ？

ぶっ飛ばされるまでずっとあったあの体の痛みも消えている。

(これなら、最後まで戦えるだろーなァ。)

そう思って、右手を強く握りしめた。