【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ10)

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第５１話ページ10

珍しい口調で声を出すキャプテンに驚き、思わず後ろを振り返った。

「前、神童さんがAにメンバーについて話しただろ？」
『…神童さん経由？』

あのひと、そういうことはどんどん言う人なのかァ？

「あぁ。…Aは、何か感じるの？このメンバーに」
『どうしてそう思う？』

「…だって、こう。何て言うんだろう…」

そう言いながらあためくキャプテンに対して。

…キャプテンは凄いなァ、何事にも頑張ろうとしててさ。

なんて思ったのもつかの間。

「…え？」
『・・・。』

(声に出したーーー？！)

背中に冷や汗が流れるのに知らないフリをして、また前を向いた。

『…とにかくなんだって良いワケ！！
どうせだれも受からないから、こんな試験！！』
「ま、待ってA！」

キャプテンの静止も聞かず、私はスタジアムまで駆けていった。

あと３０分で、脱退試験が行われる。

念のため、私はキャプテン達がいる方の部屋で奥のほうにあるソファーに座っていた。

「どうやったらみんなやる気になってくれるかな…？」

ほぼ嘆きに聞こえたキャプテンのその言葉は、あっさり剣城に放っとけ、と切り捨てられた。

「じ、じゃあAは？？Aは、どう思う？」
『何でまた私に聞いてくるワケ？さっきチェイスされた時にも言ったんですケド』

「だ…だって」

今度もまた、口籠るのかと思ってやれやれと首を軽く横に振る。
だけど、今度は口を開くのだった。

「Aってさ、剣城に似てるんだよね！」