【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ8)

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第４９話ページ8

肩を勢い良く揺さぶられ、勢い良く起きる。

『…誰だ？』
「寝ぼけてないで早く起きろ。
ユニフォームに着替えてフィールドに９時集合だ」

朦朧とした意識のなか、誰かの声が聞こえた。

(取り敢えずベッドからでるか…。)

もぞもぞと動きながら、毛布を巻き上げ、床にたったその時。
左頬に冷たいものが当てられ、意識が覚醒した。
首を振り回すと、左側に剣城がたっているのが見えた。

『にゃ…っ、？！＿＿＿おはよう、剣城』
「…おう」

そいつの右手には、私の頬に当てたであろう十分に冷えきったスポーツ飲料が握りしめられていて。

それを部屋にある机に置くと、そそくさと部屋から出ていった。

「…来たな、灰崎」
『おはようございます、監督』

まだ朦朧としているが、慌てて着替えて剣城が置いていった飲み物を持ってフィールドに来た。
この時も相変わらず経験者と初心者に分かれていた。

何処に立とうか迷っていると、神童さんが手招きしているのが見えた。
取り敢えずそこにたてば、監督の口はまた開いた。

「…揃ったな。
本日、脱退試験を行う」

脱退試験＿＿＿ゴールキーパーのいないゴールでのPK方式で行い、５本全て外せば試験は合格。
晴れてイナズマジャパンから抜けることができるのだとか。
そんでもって、初心者の奴等(+私)には、契約時に交わした条件を即座に叶えるものだといった。

…そこまで、乗り気じゃないんだけど。