【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ41)

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第８２話ページ41

本人いわく、明日人さんは氷浦さんと万作さんと一緒にモールへきていたらしいのだが。

『それって、迷子なんじゃ…？』
「実際問題そうなんだよねー。いやぁ、参った参った！」

『じ、じゃあイナリンクは…』
「充電切れた☆」

そうガハガハ笑う明日人さんに、小さく溜め息をつく。

＿＿＿そのまま突っ立っているのは周りの人達に迷惑をかけてしまうだろう。

そう考えた私は、明日人さんに『取り敢えずどこか行きましょうか』、と聞いた。

その誘いに秒で二つ返事が来たのは思っていたことなので驚くこと無く歩き出した。

…初めてモールにきたのだろうか、彼は目を輝かせながら回りを見渡していた。

そしてそれを見ていた周りの人達から少しだけ注目を浴びかけていたということもあり、早く抜け出したかったというのもある。

「おいこら明日人！」
「あいたっ！ごめんって、万作！」

幸い、氷浦さんのIDを持っていたため、三階のフードコートで待ち合わせることにして約５分。
あたりをあちらこちら走り回っていたのか、彼らの額には軽く汗が浮かんでいた。

こちらを見かけた際には、明日人さんが嬉しそうな声が響いたその瞬間、今の状況が起こった。