【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ39)

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第８０話ページ39

今日の朝は、イナリンクの通知音で目が覚めた。

監督による召集がある、というのだとか。

今だ寝ぼけている意識の中で、寝巻から慌ててジャージに着替え、髪の毛はハーフアップにする。

…寝ィ。

欠伸をしながら部屋の扉を開けると、森村が震えながらそこにたっていた。

『…どした』
「お、おはよう…っ。
あ、あの。一緒にいきませんか？」

森村の誘いに二つ言葉で返事をしてから歩き出すと、彼女はその隣を歩こうとはせず、
代わりに後ろからトテトテとついてきた。

『…隣来れば？』

顔だけ振り返りながらそう言えば、彼女は花が巻き散るかのようなリアクションをした。

「ウチ、嬉しい」『…なんだ、いきなり』

「やっぱり灰崎さんは、一番信頼できる。女の子だけど、大丈夫」
『＿＿そうかよ』

"女の子だけど"…って、どういう事だ？

＿＿否、どういう意味かを深く追及するのはやめにしよう。

そう考え、開きかけた口を閉じた。

召集かけられた場所＿＿＿もといミーティングルームに到着すると、私達は扉に近い二つ空いていた席に座った。

(…あれ、この構図どっかで見たような気がする。)

監督が座るために置かれたデスクと椅子の前側を囲うように設計されたこの部屋で、何故か私は既視感を感じた。