【イナギャラ】偽りメルシーpartⅡ (ページ37)

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第７８話ページ37

ナポリタンとサラダが盛り付けられたお盆を持ち、空いている席に適当に座った。
そのため、ちゃんと誰がいるかは見ていなかった。

…正直、別に久坂を除いたら誰だって良かった。

「なぁ、A！」
『…キャプテン、どうかした？』

声をかけられ、左隣を見ればキャプテンがいた。

「俺の注意点が書かれた紙ってさ、今持ってる？」
『さっきみのりが回収していった』

「そっか…。じゃあさ、覚えている範囲で書いてくれない？！お願い！」
『今から飯食うってんのに…』

これだからサッカー馬鹿は扱いが嫌なんだよ…。
あ"ー、キャプテン見てたらあの人思い出した。

「キャプテン、灰崎さんはこれからご飯なんだから少し待ってあげなよ。それに彼女、怪我してるみたいだしね」

(後半さえなければほぼ)救いの言葉が聞こえたのは、私の右隣からだ。
そこには、皆帆が座っていた。

もちろん、キャプテンは"怪我"に反応し、先ほどの笑顔から一転。急に険しくなる。

「どうしていってくれなかったんだ！？」

『取り敢えず落ち着けよ、キャプテン。
そこまで深い傷じゃ…？！』

傷じゃない、そういいかけてしまったのは二人係りによって右肩を回されたからだ。

誰だ、と思って左肩越しに振り返ればそこには野咲と剣城がいた。